ゲーム-3
「あぁん、あんっ」
指では絶対出すことのできないその感触に、あたしは熔けてしまいそうだった。
でもしばらくするとやっぱり、奥深くに欲しくなる。
「ねぇ…、中…して…」
「中に何するの?」
「わかるくせに」
「わかんない」
「ばかッ」
いたずらな笑みを浮かべる彼に、あたしは拗ねてみせた。
「しょうがないなぁ」
彼はそう言うといきなり二本の指を差し込んできた。
「あぁっ!!」
その衝撃に耐える間もなく、あたしの一番敏感な部分を彼の指が強く刺激する。
「いやっ、いやっ、あんっ、あっ、あっ、あっ」
あたしはシーツを掴み体をのけ反らせながら、快楽に溺れた。
「入れていい?」
「いいよ」
ゆっくりと彼があたしの中をいっぱいにしていく。全部入ると、あたしは目をつぶって大きく息を吐き出した。タバコの煙を吐き出すみたいに。
ギシギシとベッドが軋み始めた。
「んっ、んっ、あんっ、あんっ、あんっ」
差し込まれる度につい声が漏れる。
この感覚を気持ちいいと名付けたのは誰だろう。
体中が痺れるような、壊れるようなこの感覚。
でもね、なんか最近それだけじゃない気がするのは気のせいだろうか。
胸が締め付けられているのに、気付かないフリをしている自分。
「あぁっ、あっ、あんっ、あっ、あっ、もうだめっ…!!」
「うっ…」
幾度も小刻みに震えながら彼は欲望を満たしていた。いつものようにあたしのお腹の上を汚して。
認めたら、負けになる。
それとも、もう既にあたしは負けているの?
気付いてほしいけど、気付いてほしくない。
あんたの気持ちを知りたいけど、知りたくない。
その声が、その仕草が、あたしをどんなに縛りつけてると思う?
帰り際にあんたの顔ほとんど見ないの、どうしてだと思う?
未来がまるで、罰ゲームのように思えた。