ゲーム-2
「セフレが欲しいんだよね」
彼が3ヶ月前にワインを口にしながら言った。
「あっそ」
わざわざセフレなんかつくらなくても相手は沢山いるだろ、と思いつつクラッカーを噛りながらそっけなく返事をした。
「もう恋愛とかめんどくさ。たまに欲求解消ができればそれで充分」
「確かにあんたみたいな奴は結婚とかしない方がいいだろうし、それ以前に恋人作んない方がいいかもね。相手が可哀相だわ」
なんでこんな男がモテるのだろうと、心底不思議になる。ナルシストとか遊び人とか、全部こいつが生み出した言葉じゃないかと思ってしまう。
「いや結婚はしたいんだよ。10年後くらいでいいけどさ」
「その頃には誰も見向きもしなくなってるよ」
「お前こそそのがさつな性格直さねーと誰も貰ってくれねぇぞ」
「そんな無理矢理おしとやかに振る舞ってたら息が詰まるっつの。ある日突然本性現わすよりも、最初からありのままの自分をさらけ出した方がいいでしょ」
「はいはい」
ああ言えばこう言うあたしをやれやれといった感じで適当にあしらって、彼は窓の外を見た。
「ねぇ」
「何?」
「お前ってさ、普段がさつな分ベッドの上だと女の子らしくなるんじゃないの?」
にやっと笑いながら彼が言った。
「ふざけんな。あんたの性欲処理の道具にはならないよ。あたしに何十人姉妹ができるかと思うと恐ろしいわ」
「まぁまぁまぁ」
「ちょっ…」
強引に口付けられてそのまま押し倒された。突然の行為に、ご無沙汰だったあたしは不覚にも火が着いてしまったのだった。
あれからもう3ヶ月は経つ。
恋人以外の男とするセックスはある種のゲームだと思っている。はめたら勝ち、はめられたら負け。実際に自分も気付かないうちに相手に夢中になってしまい、泣きをみた経験が一度や二度ではない。こういう八方美人な奴には特に警戒が必要だ。
「俺のことも気持ちよくしてよ」
あくまであたしの持論だけど、遊び慣れてる男は女を一通り攻めた後に必ずこう言う。だからあたしの中にも大体のシナリオが出来上がっていて、挑むようにひとつひとつ実行していく。
「うっ、あぁ…」
さっきまで主導権を握っていた男を支配できるこの瞬間が好きだ。
陰嚢を舐め回しながら吸い付いたり、手で転がす。竿を強弱をつけて上下に扱きながら先端を口に含む。そして喉の奥にあたりそうなくらい、深く深くくわえ込んで、思いきり吸いながら頭を上下に動かした。
「っ、はぁっ…、あっ」
時折うめく彼。あたしの長い髪の毛を大きな手でよけて、あたしが彼自身に奉仕する姿をまじまじと見つめている。
それはより大きく、より固くなった。
「もうやばいかも…」
その言葉を聞いて、あたしはより激しく吸い付きながら上下するスピードを増した。
「あっ、あっ、あっ、イクイク…!!」
びゅくびゅくと膨張と収縮を繰り返しながら、それはあたしの口の中に液体をあふれさせた。
放出が収まったあと、彼を見つめながら飲み込み、敏感になっているそれを綺麗に舐め回した。
その後彼はあたしをあお向けに寝かせて両足を大きく開き、そこに顔を埋めた。入口と突起を舌で往復したり、突起を嬲られたり、時には舌が中に侵入して激しくうごめいた。