透〜とおる〜-1
鬼門透『おにかどとおる』15歳
某私立高校在学
父 鬼門 龍二 45
母 沙姫 31
父は裏社会を仕切る人間だ。小学から中学に上がるころから父とは全く口を聞かなくなった。元々仕事で忙しい人間だったので話すこともあまりなかったが。
そのぶん幼い頃から母が愛情をくれた。俺の右手の手の平にあるホクロをみながら母は『愛しい』と愛でた。それは高校に入った今も変わらない。
『若迎えにあがりました。』スーツ姿のイカツイ中年の男がベンツからおりてきて俺に言う。
『ああ武さんありがとう。母さん帰ってきてた?』俺は制服のネクタイをはずしながらたずねる。
『姐さんは部屋でよこになられております』『そっか』そのまま俺は車にのり家に帰る。家について母の部屋へゆく。ドアノブを回し部屋に入ると母がクイーンサイズのベッドの中央に横になっていた。もう何ヶ月も父が横になっていないベッド。母の白い首と肩がみえる。
すっと母の肩に手をかける。
華奢な母の肩は折れてしまいそうで始めて抱きしめた時は怖かったのを覚えている。『沙姫…』
なかなかおきない母を抱きしめ唇を重ねる『ん…と…おる?』問いかけを無視して首筋に舌を這わせあまがみをする。
あっ…
あまったるい声
ぁっん…とおるっ
母の白い乳を掴みもみほぐす。母の声があまりにも切なくきこえたまらず先を口にふくむ。
ふぁっ…ぁっ…とおる…んっ…
すっかり潤う下腹部へ手を伸ばし、ぬかるみを味わう。
ぁぁ…とおる…あっ…ひぁぁっ…
唇を奪い温もりをもとめ指をうごかす。
ぁぁぁ…とおるぅぅ…母がのけぞり白い肢体が布団からのぞく。
その妖艶さに俺はゾクリとし自分の欲望を母に埋める。自分が望まれて、愛しいと欲されていた時代を遡るよいに母の膣をすりあげた。『沙姫』名前を呼んでみた。この腕の中の愛しい女が俺を感じているか知りたくて。なんども呼ばれるその名は果たして俺自身を呼ぶ声なのか。
ぁっ…ぁぁっ…んっ…はぁっ…あっぁっぁっ…もぅ…ダメッ…とおるぅ…
『沙姫、沙姫!』
っ…ぁぁぁっ…
母が果てた上で俺も果てた。
そしてこの異常な行為のあと母は俺の右手のホクロを愛でる。
『透…』と…
この行為の意味を俺はいつか知ることができるだろうか。
俺以外の透の名を呼ぶ母に俺はきずいていた。何度体を重ねても母は手に入らないし重ねるたびに俺以外の『透』の存在がちらつく。母は『透』という男を俺に重ねている。
続く