*HeartBreak...of..true*-1
ドラマのように駆け抜ける冷たい貴方と
淋しい私
〜Time〜
松川先輩には彼女がいる。
杉浦にも彼女がいる
私は松川先輩が好きだ。
私は杉浦が好きなのかも知れない。
…これは私史上最悪だった。
先輩と同じパートの人間の間でこんなにも揺れてる。
自分のベッドの中
夜中の12時、そんな事を考えた。
あの日の様に雨は降り続くけれど、もうそんな状況には大分慣れてきた。
私は藍沢瑠依、高校生で吹奏楽部。
楽器はコントラバス。
これが恋じゃないならなんなんだろうね。
あの人には優しさを求めてる。
貴方には危険を求めてる。
そういえばあの日のことは部活の譜面を挟むスケッチブックに書いたね。
忘れないよ。
テューバの杉浦は問答無用で話しかけては来ないし、私も話そうとしない。
だけど信じていれば戻れるよね。
雨が私に味方した気がした。
それを確認するように私は眠りについた。
―夢を見たよ。
松川先輩の夢。
「君の追い求めるものはそんなものだったの?俺なんかじゃないだろう。」
…松川先輩は私に道を与えた。
勿論夢だけど。
その先には杉浦が。
認めるのは怖いけど私は杉浦が好きなんだ。
だけど私は松川先輩が大好きなんだ。
あんなに優しさを感じた人、他に居なかったんだよ。
でも何かの物語のような優しい恋は、もう終りだね。