*HeartBreak...of..true*-2
次の日。
決心した私は放課後、部室に入った。
コントラバスが奏でるのはテューバに似てる旋律で。
「ねぇ一緒に練習してもいい?」
ただ一言、杉浦に言った。
静かに幕を降ろした
あの人との思い出に
激しく幕を開けた
貴方との笑顔に
〜Endless love〜
あの大事な日、杉浦に
「お前を幸せに出来るのは俺じゃない。お前は松川先輩が好きなんだろう。」
って言われた。
そのとおり
杉浦と居たら幸せなんかなれない。
松川先輩は幸せにしてくれたけど。
でもね、幸せと好きって気持ちはイコールじゃないよね。
あの頃から気づいていた好きって事に今は正直になるよ。
杉浦につけた杉浦のあだ名をもう一度呼んだら私は覚悟を決めるから。
私は走り出した。
「さよなら松川先輩。」
もう二度と来ない全ての愛を先輩に向ける日々。
松川先輩が居た場所から遠ざかった。
目には涙…本当は一つ言い残した。
でも言わないよ…。
そして扉を開く。
私は杉浦のことを「こん」と呼んでいた。
走るスピードを上げて部室のドアを無造作に開けると杉浦が居た。
「どうした…藍沢…?」
同様してる貴方に笑って
「こん!パート練行こう!」
「…ぉう。」
呼んだよ…呼べたよ。
コントラバスとテューバは、いつも一緒で。
貴方と私も一緒に居られるよね。
「その呼び方やめろよ。」
また不機嫌そうに杉浦が。
「いいじゃん。こんって可愛いでしょう。」
「…さぁな…もうパート練行くぞっ。」
「了解―!」
コントラバスとテューバは当たり前のように同じ旋律を奏でているから。
この世界で貴方と
「人生」と言う曲の同じ旋律を演奏したい。
正直に好きって言えるまであと何日かなぁ。
ねぇそれまで曲を止めないで私の隣に居てね…?