青いリボン-1
『ビシッゲシッダダダダドンダァン!・・・・・───YOU WIN!』
「……飽きた」
ここ最近、学校帰りに通い詰めていたゲーセンも俺の持ち前の飽きっぽさの前では1週間でひれ伏すこととた。
まぁいいや、適当にブラブラしよう。
まだ帰るには早過ぎる。今俺は塾に行ってることになってんだから。
外に出るなり空を見上げた。
空はいい。
なにより色がいい。
透き通るような青。
ぶっちゃけ、俺は青いものなら大体何でも好きだ。青魚……最高だね。毎日食ってる。
『おい、進路どうするよ
決めてねえんだよなあ
お前もか 』
雑踏の会話に、現実に引き戻される。
進路か。
ぼんやりとすら浮かばねえ。
勉強、できねえわけじゃねえけど面倒くせえ。
俺…どうなるんだろな。
おっ。
あのポニーテールの娘、俺のタイプ。
てか、めっちゃかわいい。あれどこの制服だ?
あっ、女子校のか。
うわ、目ぇ合った。ラッキー。
え?
俺、笑いかけられた?
なんで?
てかマジでかわい過ぎなんですけど。
え〜〜?
待って待って。
近付いて来るんですけど。あ、あれか。
期待させといて実は俺の背後に彼女の恋人がいますよ、ってやつか。
あれ?
後ろ向いても誰もいねえや。
そりゃそうか。俺、壁際のベンチに座ってんだもんな。
「ねえ。今、ひま?」
おーい。心の準備できてねえぞー。
「はいぃ?」
「ぷっ。面白い顔。今ひま? って聞いてるんだけど。」
おいおい待ってくれよ。これはまさかの逆ナンってやつですかぁ?
「うんまぁ……ひまですけど」
「んふふ。じゃあ私とデートして。」
「えぇ〜〜!?」
で、でえとお〜〜!?
ありえない〜〜〜!!
「よ〜〜し、決まりね。じゃ早速れっつごー♪」
うわっ、ちょっ待って!
いきなり腕なんて組まないでよ!
む、胸当たってるって。
てか、まつ毛長っ。
いろしろっ。
目ぇデカっ。
髪イイ匂い。
近くで見ると益々かわいいじゃんよ。