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青いリボン
【青春 恋愛小説】

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青いリボン-6

「蓮。蓮だよな?」

彼女は涙顔でしっかりとうなずいた。

「その頭のリボン、あの時のリボンなんだよな?」

うん、うん、とまた彼女はうなずく。
俺はポケットから取り出した真新しい青いリボンを蓮に手渡し、もう一度言った。

「俺も蓮のことが好きだ。」
蘇った、7年前の告白。
これが、その答え。
蓮の涙は勢いを増す。

「ずっと気付けなくてごめん。」

蓮は俺に抱きついてくる。俺はそれに応え、しっかりと抱き締め返した。

「わかってくれたんだ……私が蓮だって……」

「1週間、ずっと俺たち近くにいたんだよな?」

「うん……うん。」

おかっぱ頭にメガネ…。蓮はあの頃のままの姿に俺が気付くのをずっと待っていたんだろう。

「ごめん、俺……話しかけられたのに家に帰るまで思い出せなくて……」

「いいの。……うれしい。……よかった。」


本当によかった。
彼女を「りぼん」としてではなく「蓮」として好きだと言えたことが。


「こうちゃん……7年間、ずっと。ずっと好きだった。」

「……蓮。」

「うれしい。……うれしい。やっと気持ち、受け取ってもらえた……」


蓮はずっと嬉し涙を流し続けた。その涙は全て受け止めた。

ひとしきり泣いた後、蓮は色々な事を話してくれた。

『こうちゃんに会えるんじゃないかと思って、こっちの高校受けたんだよ』
『2年生のとき、街でやっと、こうちゃん見付けたんだよ』
『こうちゃん気付いてくれないから、髪型変えたりコンタクトにしたり、とにかく綺麗になって目立とうとしたんだからね』
『髪止めにあのリボン使ったら気付いてもらえるかなって思ったんだよ』
『初めて声かけるとき、すっごい緊張したんだから』


「本当はね……今日、別れを言うつもりだったんだ。気付いてくれないならもういいや、って」

一旦止まっていた蓮の涙がまたあふれてきた。

「だから今、すっごい幸せ。」

蓮にとってこの7年はとても長く感じられたんだろう。俺は蓮をもう一度抱き締め、こう言った。

「もう絶対、離さないから。」

目の端に、青いリボンが映った。
大分くたびれたこのリボン。
蓮の涙が止まったら
蓮が握り締めてる新しい方に取り替えてやろう。


終わり


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