エプリルフール-1
「ねえ、今日ってエプリルフールだよね。」
「ああ。」
「あの…っ、お願いがあるんだけど。」
「エプリルフールにお願い?何だそれ?」
「ダメ、かな?」
「内容によるな。何?」
「あたしのこと、好きだって言ってくれないかな?」
「はぁ!?」
「…真剣に取らないでいいからさ、エプリルフールなんだし。」
「え…っとさ、それって嘘ってことだろ?」
「そう、嘘、だよ。」
「…無理。」
「どうしても…だめ?」
「あぁ。」
「どうしても?嘘なのに?」
「だからだよ。」
「だから?」
「…だって、それ嘘じゃねぇもん。」
「え…?」
「お前なんて大嫌い、なら言ってやれるけど?」
「あの、それって。」
「エプリルフール仕様。」
「なんか…嬉しいけどムカつく。」
「こんな日に、んな事言うからだろ?」
「確かに。」
「お前らしいけどな。」
「…やっぱり、やり直していい?」
「は?」
「明日、もう一回告白させて。」
「……待ってるよ。」
〜Fin〜