fantasy ability・0‐皇希の過去‐-4
‐時は戻り、現在‐
〈ガチャ!〉
玄関が開く音がした。
《あいつか。‥‥じゃあね、父さん、母さん。》
「皇〜?起きてるか〜?それとも‥」
「何だよ!?」
「おっ、起きてたか。」
「うるさい。しかし、毎日毎日、いちいち来るなよ!」
「いいじゃあねぇか。お前のメシって、結構ウマイだよな〜。」
「‥‥殺すよ?」
「出来るかな?」
‥‥‥そう、皇希は一人暮らしだったせいか、料理が上手かった。
「ふん!‥‥まぁいいか。」
「おっ、気分がいいなぁ〜。何かあったか?」
「うるさい!」
「で、今日の朝飯のメニューは?」
「昨日余った肉じゃがと、なんとなく買った白菜があるから白菜を使った料理かな?」
「そうか。あとは定番の味、味噌汁と言ったところか?」
「そうだな。」
数十分後、二人は食べ終わった。皇希は食器を片付ける。
「さて、着替えるか。」
「おう、早くしろや!」
「‥‥本当に殺したいな、こいつ。」
「くっくっくっ。」
数分後、皇希は着替えて家を出ようと玄関に行く。
「行ってきます。」
皇希はこの一言は言って出た。返す人物がいないのに‥‥
『行ってらしゃい。』
‥‥いや、皇希の心の中では聞こえていたのかも知れない‥‥
この時、皇希は一ヶ月後に起きる出来事は知るよしも無かった。
完