fantasy ability・9‐地界にさよならを、天界へと‐-2
「私が解らないと思ったかい?我が娘よ?」
「ふん!」
「嫌われましたね。司義莉さん。」
「ははっ、参ったな、これは。」
「笑ってる場合じゃありません!二人とも!」
「なんで?」
「司義莉様!皇希君の事ですよ!」
「大丈夫ですよ、凰輝さん。予測してましたから、織音のお世話は。」
「なっ!皇、私の行動は余計なお世話なの!?」
「いや、逆に嬉しいよ。でもな、俺は‥‥っと、危ない危ない。」
「‥‥な、何よ!?」
「皇希君?話を進めるよ?いいかい?」
「ええ。」
「じゃあ、君と行く天界組だが、‥」
「私は絶対行くからね!」
「‥‥だそうだ。」
「嫌と言っても付いてくると思いますので、仕方ありません。」
「わかった。では、天界組は皇希君、織音、凰輝、誠慈、光の五人でいいかな?私はここで結界を張ってないといけないし、梛はいろんな事で必要だしね。」
「はい。」
「俺が行く必要は?」
「凰輝はここにいるとここが狙われてしまうだろ?だからだが、異論はあるかい?」
「‥‥無いです。解りました。」
「出発は二日後。いいね?」
「はい。」
その後、なんともなく過ぎていった。
‐二日後の夜‐
学校内の生存者は、皆寝ている。なので、今は静かであった。
校庭に人影がある。もちろん、皇希たちだ。
「さて、行くか。準備はいいですか?」
そう言った皇希自身は手ぶらだった。
「ええ。」
「大丈夫だ。」
織音と凰輝もだった。
「‥‥問題無い。」
誠慈は意外と背中に謎の日本刀があった。
「大丈夫よ。」
光は弓を持っていた。
「‥‥それでは司義莉さん、お願いします。」
すると、司義莉が詠唱し始めた。
「大いなる天の扉よ!我が名の命に従い、我が国へと誘え!ヘブンズ・ゲート!」
その直後、何も無い場所に、いきなり“門”が出現した!
「‥‥行くか。」
皇希が歩き始めた。他の皆も歩き始める。
‥‥“希望”か、それとも“絶望”の入り口へ‥‥
そして、皇希自身が望む“トコロ”へと‥‥
続く