「僕の事情」-1
僕の恋はいつもすぐ終わってしまう。
気付くといつも愛しい人は離れてしまうんだ…
「しんちゃん!ご飯よ〜」「わかったよ!ママ!」
僕のパパは大手企業の社長。
家はかなりの大金持ちだ。ママとパパは僕にとっても優しくしてくれるんだ。
「ママ、また僕好きな子が出来たよ」
「あらっ今度はうまくいくといいわね!」
「期待しててよ」
「今度こそ、チャントシタカタチで紹介しなさいよ」「解ってる♪」
そう、僕は今恋をしている……
もうお付き合いもしてる仲なんだ!
「いらっしゃいませ〜」
僕の日課はこのファミレスに通う事。
ここに僕の好きな子がいるんだ。
彼女の名前は木田あけみちゃん。
○○高校の一年生。
外見は金髪で鼻にピアスまでしちゃってるギャルな子だけど…見た目とは違って僕には一途なんだ。
「いらっしゃ…」
「……」
ああ…かわいいな…
あけみちゃん。
僕を見て照れちゃう姿もまた可愛いよ。
今日も一日君を見守るからね…
『ちょっとあいつ毎日来てない?』
『てかキモイんだけど…あのデブ!』
『あけみの事見てるし、あいつあけみ目当てじゃないのぉ〜』
『やめてよぉ〜鳥肌たっつーの!キモオタ野郎』
『最近変なメール来てるってやつもあいつからなんじゃないのぉ?』
『あははっそりゃないでしょ!だってあいつじろじろ見るだけで喋りかけてもこないし!メアド教えた覚えもないし〜』
きっと僕の噂話だ。
もう店中に広まってるのかなぁ…
まいったなぁ。
恋人としてシャンとしないとね。
えへへ
「ご注文は?」
気付くとあけみちゃんが立っていた。
「……ください。」
「あ?」
「こっコーヒーを…」
「…ちゃっちゃと喋れ、デブ」
あ、行っちゃった。
でも今日もデートの約束取り付けちゃったね♪
どこにいこうか?
確か前…映画見たいって言ってたよね。
「おつかれさまでーす」
時間ぴったり♪
あけみちゃんは五時にあがるんだ。
僕もその頃ここを出る。
いつも迎えに来させるなんて…甘えん坊だなぁ。