fantasy ability・8‐ただ、終わらせる為に、“チカラ”を求めて‥‥‐-1
‐国連重要人物室‐
ここに一人の若い男性が居た。見たところ、二十代前半の年齢位の顔立ちで、スーツが似合っていた。そして、テレビでよく見る社長の机や椅子があった。彼は椅子に座っていた。
又、その隣には彼の秘書らしき女性が居る。彼女もやはり二十代前半の顔立ちで、インテリメガネが似合っていてスーツも彼同様似合っていた。
「世界中の死者は?」
「約七十九%です。」
「‥‥世界中の建物崩壊率は?」
「約六十四%です。」
「そうか。‥‥信じられないな。まさか、本当に“神”と“魔王”が存在するとは‥‥。」
「‥‥‥」
「ふぅ、君に愚痴を言ったところで、何も変化はしないか。」
「なら言わないでください!」
「厳しいなぁ〜。‥‥いいじゃないか。」
〈ギロリ!〉
彼女は“死”を暗示しそうな鋭い眼差しを彼に当てた。
「うっ!わかった、わかったから止めて!」
すると、彼女は普通?の眼差しに戻す。それでも、見てるだけだと少し怖い。
しかし、彼は彼女のその眼差しを微笑みながら見つめ返していた。徐々に彼女の顔は、炎のように赤くなっていく。
「可愛いな〜。」
「ふ、ふざけないでください!」
「はいはい。‥‥さてと、梛さんが言っていたこの状況を覆す秘めた可能性を持った“彼”はがんばっているかな?」
「‥‥そうですね。」
机の上に一枚の紙があった。そこには、
山崎 皇希 男性
16歳 東京都在住
東京都私立幻光館総合高等学校 1年C組
性格=無口だが友達の仁(織音様)に対しては明るく元気
最近の行動=“真実”を知り始めた為か、“覚醒”後に急激な成長があった
又、“何か”を求めている事が発覚。しかし、その詳細は一切不明
‐幻光館学校校門前‐
至る所の家や少し離れた建物が壊されかけていた。家は一部窓は割られてたり、家自体が傾きかけていた所もあった。少し離れた所にあるデパート等の建物なんかは窓はもちろん、中は最も残酷だった。
何千体の死体があり、商品はメラャクチャにされていたり、そして、それを更に掻き立ててたのは、新鮮かつ真っ赤に燃えている血だった。
その血は商品や壁等に飛び散って、異臭と独特の雰囲気を醸(かも)し出していた。
「ハァハァ、あそこに入れば‥、ハァハァ‥」
そして今、一人の男性が走っている。幻光館学校を目標にしているらしい。しかし、男性の視線には学校はもちろんだが、もう一つ違うモノが見えていた。
それは老若男女の死体だった。至る所にあり、死臭や腐敗で辺りに嫌な臭いがした。すると、目の前に何かが現れる。