fantasy ability・8‐ただ、終わらせる為に、“チカラ”を求めて‥‥‐-3
‐鐘の音から二日後‐
幻光館学校は約百の影に囲まれていた。中には、浮いている影もあった。その影の正体はカオスの手下であった。
そして、その中に死神 誑笥の姿もあった。鬼のような顔つきであり(既に悪魔?)、イラついている。
「あそこに居るのか?山崎 皇希は?」
「はい。死神様。」
「そうか。‥‥俺に屈辱を与えた事を後悔するだな!山崎 皇希!」
どうやら、“鐘の音”の事をかなり根にもっているらしく、こういう行動したらしい。
一方、皇希たちは一年C組の教室で作戦会議中だった。
「‥‥やばいな。」
「皇、どうするの?」
「織音は、凰輝さん、梛さん、司義莉さんと協力して、この学校に結界で守ってくれ。」
「皇は?」
「わかってるだろ?‥皆さんも‥」
『‥‥‥』
皇希と織音以外は無言で首を縦に振った。しかし、織音は悲しい眼差しで皇希を見て喋った。
「皇、何故私たちを頼ってくれないの?」
「‥‥理由が欲しいのか?」
「ええ。」
皇希は何かを秘めさせた眼差しで織音に見る。すると、織音はその眼差しから目を背(そむ)けて喋った。
「そう、何も言わないのね。でも、皇が危険になったら私の加勢するわよ?」
「‥‥わかった。」
すると、誰かが教室を開ける!ドアのガダン!という音に全員の顔はその方向へと向けた。
「なんで?俺が人間の様子を見ていないといけないんだ!?‥お前の指図は受けねぇ!」
‥‥誠慈だった。しかも、かなり怒っているようで、皇希に指をさしながら言った。
そう、この場には神城家の子供たちは居なかった。
「‥‥昨日、実力を見せただろ。誠慈さんも納得したろ?」
皇希は呆れた顔で誠慈に“タメ語”で言った。かなり強気になっている。誠慈は怒ると思いきや、
「ぐっ!そ、それはそうだけど‥‥」
「ふふ、誠慈の負けね。戻りなさい?」
「母さんまで!畜生〜!」
『‥‥‥』
誠慈はドアから叫びながら出ていく。役柄が昔の皇希に似てきたようだ‥‥。
実力の順番は一番目が皇希、二番目が司義莉と織音の二人、三番目が凰輝、四番目が梛、以下は兄弟の順番道理で誠慈、光、薫、優、咲、凜である。
勝負方法は五分一本勝負で相手が気絶、又は「参った!」と言うまでの簡単な試合で、全員が一回は当たるように設定してあった。引き分けはありだった。
その試合で皇希は誠慈に対して秒殺で「参った!」と言わせたので、強気でタメ語などを使っていたのだ。