fantasy ability・8‐ただ、終わらせる為に、“チカラ”を求めて‥‥‐-2
「くっくっくっ!残念だったな、死ね!」
「う、うわああぁぁ!」
そう、カオスの手下が一般人を襲う所だった。手下は前に立つと同時に剣を振り降ろす。一般人の男性は死を覚悟して目を閉じる。
〈ヒュン!‥ギィン!〉
「‥‥‥‥‥あれ?生きてる?」
「何!?」
一つの人影が手下の剣を止めたのだ。その人影は皇希だった。
「早く行ってください!ここは俺に任せて。」
「‥‥あ、ああ。」
男性は戸惑いながらも立ち上がり、学校に入っていく。
「ちっ!逃がしたか。‥‥お前誰だ?」
「今から死ぬ者に言っても意味が無い。」
「‥‥ふざけてるのか?お前みたいな子供に俺が殺られるかよ!?」
「なら、試してみれば?」
「ガキが意気(いき)がるなよ!!」
手下は怒りを隠しきれずに皇希へと走り出す!
〈ヒュン!〉
そして、走りながらも剣で斬りかかる!しかし、
「甘いな‥。我流剣術!蒼天真空嶄(そうてんしんくうざん)!!」
〈ビュン!〉
皇希はその場で剣を振る!すると、前に真似をした真空斬が出る。しかも、格段に素早い速度と形が三日月型とはっきりしていた。
「なっ!‥お前みた‥いなこ‥ども‥に‥!」
手下は避けること、いや、反応することすら出来ずに跡形も無く霧となり消えた。
「‥‥‥」
皇希は真剣な眼差しと無言でその様子を見ていた。
「流石〜♪皇は、どんどんレベルアップしているね♪」
その直後、織音がやってくる。しかも、やたらテンションが高い‥‥
「織音、さっきの人は?」
「かすり傷程度だったよ♪」
「そうか‥‥」
皇希はそれだけ言って、学校に入っていく。
「私の事は無視なの?‥‥って、ちょっと待って〜♪」
織音もふざけつつ学校に入っていく。というか、織音は傷すら無いので当然無視である。
《‥‥私の心に深い深〜い傷が出来たわよ?作者さん?》
‥‥だそうです‥‥
皇希が学校に入って瞬間、
「おお、皇希君!大丈夫だった?」
「ええ、平気です。」
『皇希兄ちゃん、遊ぼ遊ぼ!』
「こら!皇希さんはお疲れなんですよ。あっちに行ってなさい!‥‥ごめんなさいね?」
「いえいえ。」
学校内の生存者は自然と皇希に言ってくる。又、子供たちも恐怖心がないのか皇希に近寄ってくる。皇希は意外と人気者だった。
というか、数日前に皇希自身が自ら行動した結果だった。だから、学校内はこの状況下でも絶望感が無かったのだ。こうなったのも“鐘の音”から二日後の事である。