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きみのとなりへ
【純愛 恋愛小説】

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きみのとなりへD-3

「かなり暗いね〜僕夜の海来たの初めてやん。」

黙ってるのは気まずいから、とりあえずなんか喋ってみた。それがなんだか照れくさくて、僕は海に向かって歩いてみた。

「えっ!待って!」

沙癒ちゃんが突然大きな声を出したから、僕は少し驚いた。

「ん?どしたの??」

「一人にしないで〜」

ドキッ

え〜?!可愛い!可愛いよ〜!!

困った顔をしてる沙癒ちゃんに思わず見入ってしまった。

困った顔の彼女は可愛くて、ちょっと意地悪したくなって、僕は

「弱虫〜」

って言った。沙癒ちゃんは、だって〜ってぶすくれながら、でも笑ってくれた。その笑顔が可愛くて、なんだか温かくて、話がしたいと思った。沙癒ちゃんの事をもっと知りたい。僕の事をもっと知ってほしいって思ったんだ。僕らは、いつもメールで話してるようにいろんな話をしながら、花火を袋からせっせと出していった。


「あ、そういえば…」

僕は花火を袋から出し終えて、砂浜にゴロンとなって、さっきのメールは誠二が送ったことを話した。すると沙癒ちゃんは

「そうなんだ!なんかいつもと違うとは思ったけど。」

と言った。
いつもの僕…彼女は僕の事どんな奴だって思ってるんだろう。僕は少し興味が湧いて

「いつもの僕ってどんな感じ?」

と聞いてみた。すると沙癒ちゃんは

「ん〜と、面白い!」

と言った。
…僕、面白いって言われたの初めてだ。いつも可愛いとか、大人しいとか、優しいとか言われるから、意外だった。なんだか嬉しかった。

「面白い?!そうなん?」

僕は嬉しくなってケラケラ笑った。
すると沙癒ちゃんは

「だって、面白い先生の話とか、お母さんの話とか、誠二くんのアホ面写メとか、めっちゃウケた〜!」

と言った。
そっか〜!沙癒ちゃん、僕の話を面白いって思ってくれたんだ!嬉しい!!

初めて言われる言葉に、僕は少し焦りながら

「あ〜!あれ沙癒ちゃんに送ったの誠二には内緒やけんね!」

と言ったら、沙癒ちゃんは

「えへへっ、どうしよっかなぁ〜」

なんて意地悪言った。
いつもは、女の子と二人で話すのは苦手で、いつも誠二に助けを求めてしまう僕。なのに、沙癒ちゃんといるのは居心地が良くて、二人で話すのは楽しくて楽しくて、ずっとこの時間が続けばいいのにって思った。


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