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addiction
【その他 官能小説】

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addiction-1

あたしは俗にいう“遊び人”。これまで何人もの男と関係を持ってきた。相手から手を出されたこともあれば、自分からきっかけを作ったこともある。
あたしは誰に体を求められても断れない。別に嫌じゃないし、むしろ自分の存在が必要とされることを嬉しく思うから。これの何が悪いことなのかわからない。
男が最も優しくなるとき、女が最も安らぎを得るとき、それは行為の最中だと思う。

過去に人生で一番愛した男に捨てられた。あたしは人生が全て終わったかのような感覚に陥り、生きる意味を見失った。
そんなある日、男友達に家に来ないかと誘われた。弱り切って一人になりたくなかったあたしは、迷いもせずついていった。アルコールの力を借りつつ明け方まで感情を吐き出して少し落ち着いたところで、そろそろ寝ようということになった。
「腕枕してくれる?」
そう頼んだら彼は快く望みを聞いてくれた。やっと安心できる場所ができたような気がして、思わず顔を埋めた。
すると突然彼の手があたしの上半身をさすり始めた。あたしは驚きも抵抗もせず、身を委ねた。
抱かれた後に気付いた。元彼を引きずっているというより、淋しいという感情の方が大きいこと。求めているのは元彼ではなく、愛してくれる体の存在。
そうして今のあたしが出来上がった。

「はぁんっ、あんっ」
2本の太い指があたしの中の一番敏感なところを的確に責め立てる。愛液が溢れて男の手を存分に汚している。
「あっ、あっ―」
唇を塞がれ、強引に舌を絡めとられた。こんなに感じているのに声を上げられないのは辛いけれど、その辛さにある意味興奮させられる。
「舐めて」
そう言われたのでわずかに微笑んでみせた。そしてゆっくりと、それに唇を寄せる。裏側を根本から舐め上げると、今度は男が喘いだ。
「…んっ、はぁっ、上手いね」
あたしは何も言葉を返さずに続けた。昔から人より秀でたものなんかなく、いつも周囲をがっかりさせていたあたしが唯一褒められるのはベッドの上だけだ。今のところ気に入られなかったことはないので、もしかしたら天職かもしれない、と思うことさえある。
「あっ、もうだめだ、イクっ」
口の中と同じ温度の液体が広がり、その放出が止まると一気に飲み込んだ。そして敏感になったそれを舐めて綺麗にすると、また男に向かって微笑んだ。

「ほんとに何考えてるの?」
友達に話をすると、怒られるか退かれるかのどちらかだ。
「以後気をつけます」
とりあえずそう言ってその場を取り繕う。恐らくこのままではいつか友達全員を失ってしまうので、もう話すのはやめよう。あたしはきっと、元には戻れないから。

休みなく突き上げてくる男を見ていると、勝ち誇ったような気分になれる。この人もあたしの体に夢中になってるんだ。たとえ一瞬だけでもあたしを必要としてくれている。今はあたしだけを見ていてくれる。
時々心と体がバラバラになって、心ここに在らずといった感覚になることがあるけれど、そんなときは精一杯演技をする。相手が喜んでくれるように。また愛してくれるように。
「すげぇ気持ちいいよ」
「あたしも」
段々と出し入れするスピードが速くなってくる。「はぁっ、あっ、あんっ、あっ、あっ」
ギシギシとベッドが軋む音と、ぐちゃぐちゃと交わる音とがシンクロする。
「うっ、やばい、あっ…」
腰の動きが止まり、目をつむって男は絶頂を迎えた。

ゆっくりと煙草を吸う男に寄り添っていたけど、既に心の中は一人ぼっちの淋しさでいっぱいになっていた。ケータイを手に取って電話帳を開くと、スクロールしながら上から順番に眺めた。次は誰に抱いてもらおうか。


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