*HeartBreak...of..Submit*-1
鳴るの 鳴るの
バレエ組曲
ステージの上にバレリーナ
哀しく切ないバレリーナ
〜これは恋ですか?〜
この時はまだ恋ってなんだか分からなかったんだと思う。
風のように走り出したあの頃の思い出達よ。
今はまた光るけど
そよ風が包むように
いつも私を見ていてください。
「藍沢さん。」
誰かに呼ばれた気がして振り向くと誰もいない。
こんなことは頻繁で。
「…松川先輩。」
夕日が輝き楽器に反射した。
吹奏楽部の準備室。
私、藍沢瑠依とその先輩の松川先輩は、この準備室でコントラバスの練習をしていた。
しばらく逢っていないけど元気にしているのだろうか。
窓を開けて思うのはクーラーやストーブとは違う都会に吹き荒れる
"風"
気持ちがよくて穏やかな気分になる。
英語が苦手な私が一番最初に覚えた難しい単語。
それが
"preparation"
準備って意味の単語。
どうしてもこの気持ちを英語にしたくて覚えた。
I like preparation room.
I love you...
I'm sorry...
そんな言葉がノートの端にあったのを覚えてる。
私は準備室が好きです。
貴方を愛しています。
ごめんなさい…
this is love.
これは恋です。
Is this love?
これは恋ですか?
まだ芽生えたばかりのこの気持ち…まだ恋というにはきっと足りないよ。
だって思うでしょう?
まだ小さい
だんだんと大きくなるけれど
テンポは、Andante
歩くような速さで。
あの人に近付けるように。
ただ低く切ない音を私は一つずつ拾っていくからね
ねぇもしも私が風だったなら
あなたのもとへ行くと思うんだ。