俺と俺様な彼女 〜9〜-2
「じゃあ、はい、あ〜ん。」
「・・・何のつもり？」
「買ってきたばかりだからまだ固いんですよ、これ。削り取るの結構力要りますから。」
「いいわよ、そんなの。貸しなさい。」
「駄目です。はい。」
「んん！？」
「おいしいですか、先輩？」
「・・・元気になったら覚えてなさい。」
「俺記憶力悪いですからね。覚えててほしかったら早く治してください。はい、あ〜ん。」
「んん。」
「そんなに睨むと口移しで食べさせますよ。」
「っ！？」 パーン！！
「ぐはぁっ、せ、先輩、ビンタはきついです。肉体的以上に精神的にかなりきます。」
「うるさい！！馬鹿、馬鹿！！」
「じょ、冗談ですよ。だからそんなに暴れると風邪が悪化するから落ち着いて！！」
「うるさいうるさい！！」
「がはっ、ちょ、先輩、マジで落ち着いて・・・お、俺が死ぬ！」
「ふう、じゃあ俺はそろそろ帰ります。」
「・・・屈辱だわ。」
「そこまで言わなくても。たまにはいいじゃないですか。」
「嫌よ。」
「先輩、顔めっちゃ赤いですよ。また熱出てきたんじゃないですか？」
ぶんっ！！
「がはぁ！！」 本日二度目の衝撃。今度は犬のぬいぐるみ。
「帰れ！！」
「わ、わかりましたよ。それじゃあお大事に。」
「あ、数兄！！」
「よぉ、貴人君。お帰り。」
「姉ちゃんの見舞いに来てたの？」
「うん、そうだよ。」
「よかったね。姉ちゃんと仲直りできて。」
「ああ、そういやお礼まだ言ってなかったな。貴人君のおかげだ。ありがとう。」
「へへっ。なぁ、数兄！！一緒にゲームしようぜ。」
「お、いいぞ。負けねえからな。」
「俺だって負けないからな！！」
「なかなかやるじゃねーか、貴人君。」
「数兄も結構やるじゃん。」
「お母さん、お茶一杯くれる？」
「あ、先輩。」
「・・・ふん。」
ありゃ、ちょっとからかいすぎたかな。
「姉ちゃん何で機嫌悪いの？」
「ちょっとからかいすぎたみたい。」
「…姉ちゃんをからかうなんて命知らずだね。」
「あはは。」
「よ〜し、じゃあもう一回だ。」
「ごめんよ、貴人君。俺そろそろ帰るよ。」
「え〜、もう？」
「こら、貴人。数馬君も忙しいんだから。」
「ごめんね、貴人君。」
「ちぇっ。」
「ごめんなさいね、数馬君。貴人に付き合わせちゃって。」
「いえいえ、貴人君には恩があるんで全然いいですよ。それじゃあそろそろ失礼します。」
「またいつでも来なさいね。」
「ありがとうございます。おじさんにもよろしくお伝えください。」
「じゃあまた遊ぼうぜ、数兄。」
「ああ、またな、貴人君。」