「あのときあいつがやってきた エピ1:開始」-5
秋津が忍び込んで…いや、それはない、俺の部屋は二階だし秋津の家から少し隙間がある。運動神経皆無な奴だしな。
当然俺もさした覚えはない。
もしかして本当に…未来産猫型ロボットみたいなヤツなのか?
「秋津!!」
次の日、俺はポンコツをつれて秋津の家に押しかけた。
ちなみに今は冬休みだ。
「これは何だよ、秋津!?」
秋津はスリープモードに入ったポンコツに目をやったまま振り向かずに、
「人工知能搭載人助けロボット」
と返した。
どこが人助けなのかはこの際置いて、
「それはいい。こいつは消化器官云々とまで言っていたんだがまさか本当にそんなことが可能なのか!?お前何者だよ!!」
「ちゃんとしたボディを作る予定よ。あんたはどんなのがいい?美少女?美少年?」
「…少なくとも俺の人格が疑われそうなのはやめてくれ」
なるべく目立たないものにしてくれ、たのむから。
「いろいろ実験しましょう。何がいいかしら」
秋津は机に向かいだすと、既にもう何も眼中にないというか、火事になっても地震がおきても机にかじりつく集中力をもちあわせていた。
だめだこりゃ、と思って秋津から色々聞き出すのをあきらめた。
こればっかりは長年つきあってると染み付く癖というか。
本当に害のありそうなものは基本的に人に押し付けない奴だから、大丈夫だとは思うしな。
にしてもこれは学会とかそういうレベルなんじゃないのか…変な組織とかタイムなんとかとか出てきたら0,2秒で俺はこいつを差し出すぞ?めんどくさい。
とりあえず、予備電池のこともあることだし、ポンコツは秋津の部屋に置いていった。
さびしい、のかな?
友達がいないわけじゃない。
居場所がないわけじゃない。
なのに何故、こんなにもさびしいんだろうか。