「あのときあいつがやってきた エピ1:開始」-4
「隆義ーっごはんだっていってるでしょう!!」
いらだちがこもった声がリビングから聞こえる。
「あー今行く!・・・じゃ、飯だから」
「待て、オレもつれてけ」
「はぁ?」
「はぁ?じゃねえつれてけ」
「お前飯食べれるのかよ」
ふふん、と自慢げにポンコツが言うには、
「人類史上類を見ない高性能って言っただろ?
オレは消化もするし排泄もするんだよ」
そんなばかな。
「ちょっと待て、んな小さい体のどこに消化器官があるっていうんだ」
「あるんだから仕方ない」
「しかも排泄だ?アホかロボビ●ンAでも飲んどけ」
「制作者に言えよ」
なんでわざわざそんなもの作るんだよ。
飯を食わないっていうのはロボットのいいところじゃないのか?
人間みたいに食べてどうするんだ秋津。
って何をマジになっているんだ、オレは。
「だいたい、口ないじゃないかオマエ」
「・・・ハッ!!」
気づいてなかったのか。
「口付きボディはまだ完成してないんだった!!消化器官も!」
「あーはいはい」
一生完成しないってオチだろ、つまり。
「今のお前は何で動いてるんだ?」
「コンセント」
いつの間にかポンコツの尻?から出たコードがコンセントに突きささっていた。
「なんでだ!?あの手足で動けるはずが…」
「自分でコンセントに投げさすぐらいできるし」
「ふざけんなてめえ電気代返せ!!」
「サルがっできねーよ!」
俺は容赦なくコンセントからぶち抜いた。
「てめ、何しやがる!!」
ただでさえ今は冬なんだ、エアコン代も馬鹿にならない。
秋津作のこいつがいくら電気を食うのか知らないが捨て置くことはできない。
「ったく、しゃあねえ予備電池でやりくりしてやっか、どうせ移動するときゃ抜かないとなんねえし」
「最初っからそっち使え!!切れたら止まっとけ!!」
しかし、仮に入力したのを対応してしゃべってるのだとしても、ありえないほど天才なんじゃないか、秋津は。
しかも自分でコンセントに突きさすだと?
できるのか、普通、そんなこと。