「あのときあいつがやってきた エピ1:開始」-3
「はいはい十分楽しませていただきましたよ」
ためいきをつくと、AKITSU2007の目がまたチカッと光った。
「スイッチどこだ…」
「自己完結してんじゃねーよ」
聞いたこともない男性の声が聞こえた。
「…は?」
今の、なに?
思わずあたりを見回した。
「オレだっつのサル」
先程までたどたどしく奇妙な声でしゃべっていたAKITSU2007から聞こえているようだった。
AKITSU2007が言うには、自分は不幸な身の上なんだそうな。
「なんつーかさぁ、なんで人類史上類を見ない高性能な俺がさぁ
中学生のガキに作られなきゃならないわけよ?
おかしくね?な、おかしくね?」
この調子でさっきからぐちぐちぐちぐちとうるさい。
なんだこれは秋津の愚痴なのか?
にしてはさっきから秋津に対する愚痴が多いような・・・。
まさかほんとに自分で考えてるってやつなのか。まさかな。
どっかに繋がってて、声変える機能とかついてて、秋津がしゃべってるとじゃないだろうな。
「かーっやってらんないぜっ!!」
どうも話が盛り上がると目が光るようになっているみたいだ。
立て板に水、とは少し違うか。
これを秋津が入力したとしたら、どんだけ暇なんだあいつは。
「なー隆義ぃどう思うよ?」
「は?俺??」
いきなり意見を求められても。
「あーサルに聞いても仕方なかったなー」
そのサルの幼なじみに作られたお前はどうだよ。
「あーそうそう、AKITSU2007じゃ呼びにくいしだせぇからさーアッキーとでも呼べや」
『ポンコツ』確定。