ふたり【告白】〜ハダカの告白!?〜-2
ドアに耳を当ててみる。
無音。
恐る恐る隙間から覗いてみる。
誰もいない。風呂の戸も閉まっている。
なんだ、誰もいないのか。
そう思い中に入り、ドアを閉めた瞬間、俺の鼻孔をムズムズと得体の知れない何かが襲った。
「っっくしゅっ!」
布団もかぶらないで寝たのが悪かったんだろう。鼻をすすりながらそう思ったその時だった。
『ユキ?』
予想外の声に体がビクッと反応する。
「え、エリカ?」
『うん』
エコーのかかったような声が風呂の中から聞こえる。
なんで俺は〈風呂の戸が閉まってるということは中に誰か入ってるからだ〉と考えつかなかったんだ。
‥‥まぁ、風呂の中にいる分には問題ないんだけど。
「な、何してんの?」
うおぉ、我ながらなかなかいい動揺っぷりだ。風呂ですることなんて相場が決まっているだろうに。
『お風呂入ってるの。ちょっと寒かったからお風呂いれちゃった。』
「あぁ、そっか。」
『ユキも入る?』
「‥‥え、うえぇ!?」
な、な、なにを言ってらっしゃるのこの娘は!?
『ちょっ、バカ! 誰も一緒に入ろうなんて言ってんじゃないからね〜! あたしがあがったら、てこと』
「あっ、そ、そうだよな。ごめん」
『もぉ‥‥』
エリカはユキと同じく変な想像をしてしまい、頬を赤らめていた。
‥‥‥ −‖:
「タオル借りるよー」
『どーぞ』
すっかりいつもの綺麗な顔に戻ったユキは爽やかに「ふうっ」と息をつく。
その時、エリカは表情を固くさせ「ゴクッ」と喉を鳴らしていた。
『ねえ。ユキ。』
「ん」
『あの、さ。変なこと、聞くけど‥‥』
変なこと‥‥
ユキは、やっぱり一緒に入らない? とかなんとか、そっち系のことしか思いつかずドキドキしていた。
「な、なに?」
『あたし‥‥ウジウジしすぎかな?』
期待と不安とエロスの混じった想像が外れ、ユキは「へ?」と声を裏返らせた。
「な、なんで?」
『だって‥‥昨日の朝、ユキ言ったじゃん』
エリカの深刻そうな声にユキは気持ちを切り替え、真剣に耳を傾ける。