投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

ふたりの最初へ ふたり 57 ふたり 59 ふたりの最後へ

ふたり【告白】〜ハダカの告白!?〜-2

ドアに耳を当ててみる。
無音。
恐る恐る隙間から覗いてみる。
誰もいない。風呂の戸も閉まっている。
なんだ、誰もいないのか。
そう思い中に入り、ドアを閉めた瞬間、俺の鼻孔をムズムズと得体の知れない何かが襲った。

「っっくしゅっ!」

布団もかぶらないで寝たのが悪かったんだろう。鼻をすすりながらそう思ったその時だった。

『ユキ?』

予想外の声に体がビクッと反応する。

「え、エリカ?」

『うん』

エコーのかかったような声が風呂の中から聞こえる。
なんで俺は〈風呂の戸が閉まってるということは中に誰か入ってるからだ〉と考えつかなかったんだ。
‥‥まぁ、風呂の中にいる分には問題ないんだけど。

「な、何してんの?」

うおぉ、我ながらなかなかいい動揺っぷりだ。風呂ですることなんて相場が決まっているだろうに。

『お風呂入ってるの。ちょっと寒かったからお風呂いれちゃった。』
「あぁ、そっか。」

『ユキも入る?』

「‥‥え、うえぇ!?」

な、な、なにを言ってらっしゃるのこの娘は!?

『ちょっ、バカ! 誰も一緒に入ろうなんて言ってんじゃないからね〜! あたしがあがったら、てこと』

「あっ、そ、そうだよな。ごめん」

『もぉ‥‥』

エリカはユキと同じく変な想像をしてしまい、頬を赤らめていた。


‥‥‥ −‖:


「タオル借りるよー」
『どーぞ』

すっかりいつもの綺麗な顔に戻ったユキは爽やかに「ふうっ」と息をつく。
その時、エリカは表情を固くさせ「ゴクッ」と喉を鳴らしていた。

『ねえ。ユキ。』

「ん」

『あの、さ。変なこと、聞くけど‥‥』

変なこと‥‥
ユキは、やっぱり一緒に入らない? とかなんとか、そっち系のことしか思いつかずドキドキしていた。

「な、なに?」

『あたし‥‥ウジウジしすぎかな?』

期待と不安とエロスの混じった想像が外れ、ユキは「へ?」と声を裏返らせた。

「な、なんで?」

『だって‥‥昨日の朝、ユキ言ったじゃん』

エリカの深刻そうな声にユキは気持ちを切り替え、真剣に耳を傾ける。


ふたりの最初へ ふたり 57 ふたり 59 ふたりの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前