きみのとなりへB-1
僕の中の君がどんどん大きくなってく
『きみのとなりへ』〜一平side〜
携帯がピカピカしてるのを見て、僕は携帯に飛びついた。
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こんばんは!沙癒です。
メールありがとう(*^-^)☆嬉しかったです!
今日もライブお疲れ様でした♪
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「嬉しかった…だって〜!」
僕はついニヤニヤしてしまう。嬉しくてたまらない。でもどうしよう!なんて返事しよう。
僕は何度も返事を打って消して打って消してを繰り返してた。すると突然電話がなりだした。
「もしもし?!」
「あ、いっぺ〜」
その声はいつも聞き慣れた相方の声。
「なんだ…誠二か。なん〜?」
僕の気の抜けた返事に誠二は言った。
「おいおい、なんだはないやろ!おい!いっぺ〜、この前新人なんちゃらオーディションにデモテープ送っとったやん?」
「ん〜そうやったね〜………え!もしや?!」
「もしやもしや!一次審査受かった!」
僕は思わず飛び上がった。
「まじか!」
「まじたい!詳しい事は明日学校で!じゃあなっ」
「おう!」
新人なんちゃらオーディション一次審査通過…ヤバい、すごい嬉しい!
「そうだ!」
早速沙癒ちゃんに報告!
…いやいや、報告はもっと上にいけてからだ。落ち着け落ち着け。
そうだ!沙癒ちゃんがどこの学校通ってるかとか聞いてみよっかな。
沙癒ちゃんと何度かメールを交わして分かった事は、沙癒ちゃんは僕より1個上の大学1年生で、僕の頭じゃ到底入れない、すごい大学に行ってること、毎週水曜日と金曜日と休日にコンビニのバイトに入ってて、水曜日は遅番だからライブを見に行けること。
知れば知るほど、なぜか遠い存在な気がした。高校生と大学生…たった一歳しか変わらないのに、生活とかすごく違ってて、なんか大人で驚いた。
でも、彼女に近づきたいって思った。奥手な僕には珍しく。なんでかな。たった何度かメールしただけなのに、彼女の隣に行きたいって強く思ったんだ。
彼女は、ライブで僕らはすごく輝いてるって、夢に向かってまっすぐで本当にすごいと思うって言ってくれた。
だから僕は改めて、オーディションの二次審査を頑張ろうと思った。
自分に自信が持てるようになったら、彼女に近づける気がしたから。