俺と俺様な彼女 〜8〜-1
「おい、そこの馬鹿面。」
「なんだよ、憲一。」
「いくら先輩と仲直りしたからってその顔ははっきり言ってうざい。」
「うるせえよ。で、何の用だ?」
「お前、クリスマスはどうすんだ?」
「どうするって、まぁ、たぶん先輩と過ごすと思うけど。」
「もう予定とか決まってるか?」
「いや、まだだ。」
「もしよかったらさ、一緒にクリスマスパーティーしねえか?」
〜お酒は二十歳になってから〜
「俺は別に構わんが、結衣は了解してるのか?」
「というより、結衣が言いだしっぺだ。」
「へぇ。まあ、先輩に聞いとくよ。」
「ああ、細かいことはそれからだな。」
「あとさ、八重ちゃんも誘っていいか?」
「ああ、もちろんだ。」
先輩と仲直りして三日。あれからいくつかの出来事があった。
まず、学校の俺らに対する処分。まぁ、処分つっても注意だけだった。俺は一方的にやられただけだし、先輩は普段の態度もあって特にお咎めなしだ。なにより、あいつらが麻薬を持ってたことが大きかったんだろう。
そして先輩と八重ちゃんが仲良くなった。先輩と仲直りした次の日、八重ちゃんが先輩に謝りに行った。先輩は先輩であの日いきなり帰るなど態度が悪かったことを詫び、なんやかんやで仲良くなった。いいことだ。
そして先輩と俺。仲直りした次の日は先輩はそうとう機嫌が悪かった。俺はただひたすら謝った。んで、次の日、つまり昨日だが一応許してもらった。ただ、あの日のような可愛らしい一面は微塵もなかった。おそらくあのような先輩は次に見れるのは何十年か先だろう。まるで何かの彗星のようだ。
そして今先輩と俺は以前のように一緒に帰っている。
「で、まぁ、パーティーをしようという話がありまして。」
「いいんじゃない?数馬と二人で過ごすよりは楽しそうだし。」
そういうことは思ってても口に出さないでください。泣きそうになりますから。
「じゃあまた詳しく決まったら言います。」
「つーわけで、先輩はオッケーだ。八重ちゃんもさっきメールで聞いたらオッケーだった。」
「そうかそうか、じゃあ決定だな。」
「どこでやる?」
「こっちから誘っといて悪いんだがお前ん家は無理か?」
「ん〜、たぶん大丈夫だ。」
「じゃあ、頼むわ。」
「わかった。」
「母さん。」
「何?」
「24日さ、友達家に連れてきていい?4人なんだけど。」
「いいわよ。」
「ありがと。」
「数馬。」
「何だ、親父?」
「その友達の中に美人さんは含まれてるのか?」
「月宮保奈美だ。いい加減名前覚えろ。含まれてるよ。」
「そうか。」
ぜってぇ家にいるんだろうな、このエロ親父は。