俺と俺様な彼女 〜8〜-4
「ただいま〜。」
「ああ、親父か。」 うん、いつもより一時間近く早いな。このエロじじいが。
「「「「お邪魔してます。」」」」
「ああ、いらっしゃい。おい、数馬ちょっと来なさい。」
「何だよ?」
「あの子は誰だ?」
「ん、ああ、八重ちゃんだよ。」
「八重ちゃんだと?お前とはどういう関係だ?」
「友達だよ。てか、親父病院で見ただろ?」
「あの時の記憶はあんまり無いんだよ。」 そういや母さんにぼこぼこにされてたな。
「しかし父さんの息子であるお前に何であんなに可愛い子が寄ってくるんだ?」
「気づいてるのかはわからんが今自分で自分のことを貶めてたぞ。」
我が親父ながら本当情けない。
「まあ、それはいい。とにかく美人さんを紹介しろ。」
「月宮保奈美だ!やだよ。」
「いいのか?保奈美さんにお前のあることないこと言うぞ。」
こいつ、殺るか?
「どうするんだ?」
「…わかったよ。先輩、ちょっと。」
「どうしたの?」
「こちら、俺の親父です。」
「初めまして、月宮保奈美です。いつも数馬君にお世話になっています。」
「いやいや、こちらこそうちの馬鹿息子がいつも迷惑かけてて。」
決めた、殺ろう。
「いえ、そんなことは。」
「いやいや、ほんとこいつは馬鹿で。一体誰に似たんだか。」
間違いなくてめえだ。あ〜、マジで親子の縁切りたい。母さんの姓名乗ろうかな。
「ほんと、ひとつこの馬鹿をよろしくお願いします。」
「いえ、とんでもない。」
「行きましょう、先輩。」
「では失礼します。」
「ああ、先輩先に行ってて。親父。」
「何だ?」
「先輩の手料理残ってるんだが食うか?」
「ああ、もちろんだ。」
「テーブルの上に残ってるのがそうだから。」
「お前にしてはなかなか気が利くじゃないか。」
「まあな。じゃあ俺は上に行くから。」
五分後、親父の悲鳴が響き渡った。
(まだだ、まだそのときじゃない。)
「じゃあ私は12。」
「パス。」
(今だ!!)
「じゃあ1。」
「パス」
「パス」
「よし、革命!!」
「はい、革命返し」
「んなぁぁぁーー!?」
「パス?じゃあ私あがり。」
「じゃあ、4。」
「・・・パス。」
「ご愁傷様。」
ただいまみんなで大富豪中。そして今俺は三回連続大貧民。6が四枚来たときにはやっとこのデフレスパイラルから逃れられると思ったのに。ただいま俺の手札は3と4。勝つには誰かがもう一回革命を起こしてくれるしかない。先輩は今あがった。憲一の手札は三枚。結衣と八重ちゃんは二枚。はい、四回目の大貧民確定。やってられっか!!
「はい、あがり。」
「私もです。」
「一騎打ちだな、数馬。」にやにや笑う憲一。その顔面に右ストレートを叩き込みそうになるのを、すんでのところで押さえる。
「じゃあ〜、4。」
「パス。」
「いいのかぁ〜、あがっちゃうぞ〜。」
「・・・」
「はい、あがり。頑張ってね〜、大貧民君。」
ぶちっ
「てめえーーー、ぶっ殺してやる!!」
「うわわわ、ちょっ、待て。冗談だよ。」
「黙りやがれ、この人でなしが!!」
「数馬、うるさい。」
「すいませんでした。」
「「「・・・」」」
「あ、あの喉渇きません?私飲み物持ってきます。」
「ああ、いいよ八重ちゃん。俺が行くから。」
「俺も行くよ。」
「てめえは来んな。」
「悪かったってば。ほれ、いくぞ。」
がちゃ
「で、何の用だ?」
「さすが、話が早い。」
「お前が自分から手伝うなんていう訳ねーからな。」
「まあまあ、とりあえず下行こうぜ。」