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fantasy ability
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fantasy ability・7‐始まりを知らせる“鐘の音”‐-9

‐午後八時、幻光館学校体育館‐

そこには皇希たち以外にも、大勢の生存者が居た。もちろん、赤ん坊から老人である。
無傷の人が居れば、傷をしついる人も居る。中には、片腕や片足を失った人も居た。

「‥‥‥」

皇希は無言でその様子を見る。すると、一人が近寄ってくる。いつぞやのクラスメイトだ。

「よぉ、無事だったか。‥‥所で、何故神城先輩がお前のそばに居るんだ?」
「気にするな、成り行きだ。」
「そうか。しかし、驚いたよな?いきなり足元に変な魔法陣が浮かび上がってくるだもな。動いても追ってくるし‥って、聞いているか?」

皇希はキョロキョロと周りを見ていた。

「あ、ああ。聞いている。」
「?まぁ、いいか。で、思い切ってその魔法陣に入ったら、校庭だもんな。」
「‥‥所で、生存者はこれだけか?」
「‥‥だろうな。数えてはないが、見た目は千人位か。」
「そうか。」

皇希が暗い顔になる。

「まぁ、助かった事を運がいいと思え、でなきゃ今頃変な奴に殺られる所だったぜ。」
「‥ああ。」
「ん、悪い。親が呼んでいるから、戻るな。」

そう言って彼は去っていく。彼は、あの学校の事件から結構仲良くなったらしい。

「‥‥皇希君、自分を責めるな。君のおかげで、俺らや今、ここに居る人間、それに世界中の人間が助かったんだぞ。」
「‥‥凰輝さん。‥ハァハァ。」
「む、大丈夫か?」
「はい。‥‥ハァハァ‥‥」
「少し休むべきだな。そこら辺に座っておけ。」
「ハァハァ‥、はい。‥ハァハァ‥」

皇希は隅に座る。凰輝たちは他の生存者の傷治しや色んな事をする為に散らばった。
因みに、体育館以外にも教室にも居る。流石にこの広い体育館でも四百人程度が限界であった。
それに体育館には劇場と同様ぐらいのテレビがある。各教室にも、それなりのテレビが一台づつある。
‥‥凄い学校だったりする。

「‥‥‥」

皇希は無言でテレビを見る。魔法陣はまだ残っており、それに入る人が居れば、入らずに殺される人が居る。

「‥‥‥」

すると、はっきりとした音が聞こえた。

〈ゴーン!‥‥ゴーン!‥‥ゴーン!‥‥〉

何かが叩かれた音だった。皇希はキョロキョロする。しかし、その音を発生源が見当たらない。


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