fantasy ability・7‐始まりを知らせる“鐘の音”‐-4
〈シュン!‥‥スタン〉
すると魔法陣が消える。もちろん、織音の背後にある魔法陣も消えた。
織音は着地後、素早く皇希の後ろへと回った!
〈ヒュン!ギィン!〉
なんと、織音は後ろへと回った瞬時、皇希の体を片手剣で斬ろうとしたのだ。だが、皇希は難なく双剣で弾いた。
「!!」
「ふぅ、そんな事だと思ったぜ!」
織音は後ろへと飛び下がった。その瞬間、那奈夜の姿になる。
「なんで、偽者だとわかったの?」
「お前は言っていたぜ?
『私に勝ったら教える』
とな。だから、直ぐにわかったさ。」
「そうだったわね♪私のおバカさんだったわ♪」
那奈夜は苦笑する。と、皇希は真剣な顔になり喋る。
「さて、本物の織音は何処だ?」
「言ったじゃない、私に勝ったら教えてあげるって♪♪」
「そうか、で後ろの奴は誰だ?」
「ふふふ、さぁ?」
皇希は後ろを一瞬だけ見た後で、小声で喋る。
「し……の……!……を…せ!………!」
「!!くっ、なによ!それ!?」
那奈夜は聞こえていたらしく、あの時の“裏皇希”と同様に激しく動揺した!
すると、皇希が詠唱を終えた直後、後ろで燃えていた筈の偽者が、一瞬にして織音の姿になったのだ!
織音の体には火傷が無く、しかも、髪や瞳の色までも変わっていた。と、織音が喋る。
「ありがとう、皇。でも、なんでたろ?“力”を入れてないのに、髪や瞳の色が変わるの?天界じゃないといけないのに。」
「‥‥‥」
皇希は無言だった。その刹那、那奈夜が大声で喋る。
「何なのよ!その“謎”の詠唱は?」
「私も気になるわね。」
「‥‥‥さぁな、知らないね。」
と、いきなり那奈夜の後ろに何者かが現れた!
〈シュン!〉
「那奈夜!撤退だ!」
「っ!何で貴方が現れるのよ?」
「“カオス”様の命令だ!退け!」
「!!くっ、仕方ないわね!」
〈シュン!〉
那奈夜が消える。そして、謎の男性が喋る。
「貴様が山崎 皇希か?」
「それが?‥‥」
「‥‥私が戦うわ。」
織音は臨戦体勢に入る、と皇希が右腕で制し、更に喋った。
「織音、やめておけ。あっちは戦う気は無いらしい。それに、今の俺らの力じゃあ勝てない。」
「っ!そんなの、やってみないとわからないわよ!」
「‥‥わかっているだろう?」
「‥‥‥」
織音は構えを解くと、謎の男性が喋る。