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俺と俺様な彼女
【コメディ 恋愛小説】

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俺と俺様な彼女 〜番外編〜-1

頭の中をさっきの言葉がぐるぐると回っていた。とにかく一人になりたかった。でもこの馬鹿はついて来る。さっきのこともあってイライラしていた。だから・・・数馬が言った言葉に過剰に反応した。そして心では否定したかった言葉と逆の言葉が出た。
言った瞬間言わなければよかったと思った。でも安心していた。数馬だから・・・大丈夫だと思っていた。

〜脳の命令には忠実に〜


「ただいま。」
「おかえり、心配してたのよ。大丈夫?」
「うん。疲れたからもう寝るね。」
「そう?じゃあおやすみなさい。」

「姉ちゃん、元気なかったね。」
「そりゃ、数馬君があんな風になったんだからしょうがないでしょう。」
「ん〜、それだけじゃないような気がするんだけど。」


バタン、ドサ
ベッドに倒れこんで手じかにあった人形を抱える。
「うっ、ぐす。」
止めようと思っても無駄だった。一人になって気が緩むと我慢していた涙があふれだした。
「うっ、ふえぇ。」
そんなつもりじゃなかった。でも結果的に数馬を傷つけた。しかも取り返しがつかないぐらいに。引き止めても数馬は止まってくれなかった。数馬が私を拒絶した。初めて。その事実が重くのしかかる。
「う、ひっく、き、嫌われたかなぁ。」
声に出してみて初めて数馬に嫌われるということがどんなに怖いことかわかった。今までそんなことは考えたことはなかった。数馬はいつも笑いかけてくれた。私が何を言っても。でも今回は別次元の話だ。嫌われて当然だろう。・・・あの、前橋って子と付き合うだろうか?
「やだ、やだよ、数馬。」
自分で蒔いた種のくせに。そう思いながら私は一晩中泣いていた。


朝、目覚ましが鳴る。起きなきゃと思うが体が重い。
「保奈美〜、どうしたの?起きなさい。」
「お母さん・・・」
「どうしたの?大丈夫?」
「今日学校休んでいい?」
「…わかったわ。今日はゆっくりしてなさい。」
こういう時何も言わないでくれる親がありがたかった。目も頭も痛いし、食欲も無かったのでもう少し寝ることにした。


「ん、何時だろ?」
・・・11時20分。まだぼぉっとする体を引きずって下に降りていった。
「おはよう。ご飯はどうする?」
「ん、食べる。」どんなに悲しくても情けないことにお腹は減っていた。


「ご馳走様。」
「保奈美、大丈夫?」
「…あんまり大丈夫じゃないかも。」
「何があったの?電話だとあなたはどうもなかったって聞いたけど。」
「そうじゃないの。ただ・・・」だめだ、あの時のことを思い出すと頭痛がする。
「言いたくないなら別にいいわよ。」
「うん、ごめんね、お母さん。」
「まぁ、今日はゆっくりしてなさい。」

自分の部屋にもどってベッドに座るとまたいろいろと考えだしてしまう。学校はちょうど昼休みだ。数馬はどうしてるだろう?少しは落ち込んでくれてるだろうか。それともひょっとして前橋さんとお昼を食べたりしているのだろうか。・・・だめだ、また涙が出てきた。昨日あれだけ泣いたのに。たぶん寝られないだろうけど寝よう。今ほど睡眠薬が欲しいと思ったことはなかった。


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