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俺と俺様な彼女
【コメディ 恋愛小説】

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俺と俺様な彼女 〜番外編〜-2

うつらうつらとしていた。時計を見ると4時過ぎ。数馬は今日誰と帰ったんだろう。一人?それとも前橋さんと?・・・止めよう。考え出すときりがない。

下に降りると貴人が帰っていた。
「姉ちゃん、大丈夫か?」
「大丈夫よ。」
「・・・大丈夫じゃないよ。いつもなら『あんたの頭よりはましよ。』ぐらい言うもん。」
貴人の中で私はどんな人物像で描かれているんだろう?問い詰めたい気がしたがあいにくそんな元気もない。
「姉ちゃん、シャワー浴びてきたら?少しはましになると思うよ。」
「そうね、そうするわ。」
いつもの貴人より優しすぎる気がしたが私の頭は考えることを放棄していたので深くは考えなかった。


絶対おかしい。絶対数兄となんかあったんだ。姉ちゃんが彼氏がぼこぼこにされたくらいであそこまで落ち込むわけが無い。姉ちゃんは何も言わないだろうから数兄に聞くしかない。
「え〜と、姉ちゃんの携帯は・・・」
こうなるんだったら数兄の携帯の番号聞いとけばよかった。けど今は愚痴を言っても仕方ない。
「あったあった。えーと、電話帳は・・・げっ。」姉ちゃんロックかけてる。なんでこういうところは几帳面なんだよ!姉ちゃんの誕生日は・・・やばい、いつだっけ。ついこの前だったのに忘れてる自分の頭が情けない。
「母さーん、姉ちゃんの誕生日いつだっけ?」
「なによ、いきなり。」
「いいから、早く。」早くしないと姉ちゃんがシャワーから出てきてしまう。
「12月10日じゃない。」
「わかった、ありがと。」
頼む、これで開いてくれよ〜。・・・よし、開いた。姉ちゃん意外と単純だからな。え〜と数兄は…うっわ、名前の横にハートマークついてら。そりゃロックするわ。
プルルル、プルルル、
「も、もしもし、先輩?あ、あの俺」
「ごめん数兄、俺。」
「なんだ、貴人君か。てかなんで貴人君が先輩の携帯に?」
「今姉ちゃんはシャワー浴びてる。なあ、数兄何があったの?昨日家に帰ってから姉ちゃん今まで見たことがないくらい落ち込んでるんだよ。」
「まあ、その、喧嘩したんだよ。」
「やっぱりか…。何があったの?」
「まあ、その、」 がちゃっ。‥やばい、姉ちゃんが出てきた。時間がない。これだけは聞いとかないと。
「やばい。姉ちゃん出てきそうなんだ。もう切るよ。最後にひとつだけ聞かせて。」
「ん?」
「数兄は姉ちゃんのことまだ好きか?」
「・・・ああ、好きだよ。」
「わかった。姉ちゃんのほうは俺が何とかするよ。」
やばい、姉ちゃん出てくる。早く部屋に戻さないと・・・
ふう、あぶねあぶね。ばれたら半殺しどころか全殺しだ。でも収穫はあったな。少なくとも数兄は別れる気はなさそうだし。問題は姉ちゃんだな。姉ちゃんをどうにかして動かさないと。


今まで重かった頭と体がシャワーのおかげでだいぶましになった。少しは貴人に感謝しよう。
部屋に戻ってベッドに座る。何の気なしに机を見ると腕時計が目に入った。数馬がくれた腕時計。もらって以来必要以上に時間を確認するようになった。手にとって眺める。・・・やばい、また涙が出てきそうだ。慌てて腕時計を戻して、横になった。
横になると、またいろいろと考えてしまう。数馬はもう家に戻ってるはずだ。どうしよう、電話してみようか。それで何を言う?謝る?許してもらえなかったら?そんなことが次々と浮かんできた。
「保奈美〜、ご飯にするから降りてらっしゃい。」
ちょうどよかった。頭を二、三度振り、私は下に降りていった。


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