「【巫女】=【俺好み】 」-2
「わしはしばらくの間ここを出る、沖縄で仕事の依頼が入ったのでな。
沖縄で住む事になった」
仕事ってなんだ?と思った京だがあえて聞かなかった
「じいさんがいない間誰が主人をやるんだ?
あの隣街で有名な坊主頭の長谷部くんか?」
「ん?決まっとるだろ、お前だ」
その言葉に硬直した
「……は?いいの?」
「ああ。
金なら心配するな送ってやるから。
それに仕事もサボってるしちょうどいいだろう?じゃあ今日の夜に行くから、ちゃんとやれよ!────」
ってな訳だ。やっと退屈しなくてすむ!と最初は喜んだ。
だが現実は甘くなかった………。
強制的に神社内の掃除をやらされ、良く解らない何かの書類を書き、そこら辺のオバサン達と良く解らない会話をする………。
もう美人のねーちゃんと盛り上がる事は無いだろう。
ふざけんな!!と心で叫んだ
現に今、箒(ほうき)で外を掃除してる俺がいる………。何故だろうか、目頭が熱い。
「なんで泣いてるの?変人に見えるよ?」
俺の顔を覗き込む少女
「見てたのか。俺の気持ちも知らないで…………!!」
この黒髪ロングストレートヘアの巫女は長瀬琴音 (ながせことね)、21歳、俺が20の時ここにアルバイトをしに来た、最高に可愛くて少々ドジ……。
なのだが腕っ節が強すぎる。ここに来る前に空手を習っていたらしい。身長は俺より少し小さい
そして3サイズは上から86………「ゴフッ!」
……腹に膝蹴り喰らいました…。
「そういう説明はしなくていいの!」
「琴音………やって良いことと……悪いことが…あるぞ…」
「君が言おうとするのが悪い!」
フンッ、とそっぽを向く。
「俺を怒らせたら…どうなるか…見てろよ……」
「───え?」
ポケットから一枚、人の形をした小さい紙を取り出し何やら呪文を唱えだした。
『怨・阿波邪・聚俄・草薙……!』
そしてその紙を琴音に向かい投げ、紙は琴音の巫女服にくっ付いた。
「草薙!あいつを絞め上げろ!」
京が叫んだ瞬間───
「えっ……ひゃあ!?」
いきなり周りの雑草が伸びて琴音の体にまとわりつき、絞めた。琴音は手以外身動きが出来ない状態になっている。
これは柏原の者だけが使える式神、その技は京にも遺伝されてるのでちゃんと使える。