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俺と俺様な彼女
【コメディ 恋愛小説】

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俺と俺様な彼女 〜7〜-5

「…落ち着きましたか?」
「うん、ごめんね。」
ぐはぁ!せ、先輩だめです!上目遣いで涙目は凶器です。だめだ、キスしてぇ。いや待て、落ち着け。早まるな。遊園地のことを思い出せ。でもここは地上だから…。いやいや、今日はだめだ。耐えろ、俺。なんか他の事を・・・
「ん・・・」
「ん、んんーー!?!?」
・・・え?今俺先輩にキスされた?え、うそ?なに、先輩、その『しちゃった』って顔は。俺も『されちゃった』って顔すればいいの?てか何でいきなりすんのよ。唇に感触は・・・残ってねーじゃん。おいおい。カムバーック俺のファーストキス!!
先輩は少し恥ずかしそうにして離れようとした。

・・・ここでさ、終わっとけば良かったんだよ。格好良く‥いや、別に格好良くなくてもいいけど『じゃあまた明日。』って言って別れれば良かったんだよ。でも無理。だって俺16歳だよ?あんまりでかい声じゃ言えないけど体の八割は欲望でできています、みたいな。しかも気がつく前に終わっちゃったんだよ、俺のファーストキス。そんな状態で我慢できないって。だから俺は離れようとする先輩の肩をつかんで引き寄せてもう一回キスしようとした。
「え!?」
するとどうなったか?答え、歯と歯がぶつかりました。それはもうおもいっきり。効果音はチュッ、じゃなくてゴチッ。めっちゃ痛かったです、はい。先輩も口元押さえて眉間にしわ寄せてるから相当痛いんだろう。…そして先輩と目が合った。
その瞬間、『ああ、俺死んだわ。』って俺は思った。窮鼠猫を噛むってことわざあるじゃん?あれは嘘だよ。だって今死の瀬戸際に追いやられてるけど、体恐怖で動かねーもん。…などと馬鹿なことを考えてると先輩の世界を狙えそうな右が俺の腹に突き刺さった。
「ぐぼはぁ!!」
「最っっ低!!」
ですよね。自分でもそう思います。でももう少し手加減してください。昨日ですよ、俺が不良にぼこぼこにされたの。
のたうち回る俺を置いて先輩は帰っていった。かなり薄情だと思うのは俺だけかな?…とりあえずベンチまで這って横になる。
「あ〜、気持ち悪い。」俺の胃の中で10人ほどの小人がマイムマイムを踊ってる。
「…仲直りしたってことでいいのかな?」
先輩からキスしてくれたしな。でもその後が問題だな。あれはまずいよな、やっぱり。
「でも、まあ、大好きって言ったしな。たぶん大丈夫かな。」
唇に手を当ててみる。
「鉄の味しかしねえや、ちくしょう。」


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