略奪-1
突き崩して、壊して
砂を蹴散らすように
きみの背中を掻き抱いた
砂の壁腕を突き入れて
無邪気に 打算尽くで
かき乱して探した
一瞬だけ垣間見えたきみの鼓動を覚えてる
ほしくて切なくて
そっと抱き締めた腕
悪いことだと分かっても緩めることはできなかった
指先に伝わるのは熱い鼓動
目に映るのは
ただきみの赤い熱だけ
まぶしくて目を閉じて
気付く
狂おしい独占欲と
私に渦巻く、きみの光を奪う毒
どうかしあわせに
卑怯者な私には
言えるはずもなく
そっときみの顎に唇をよせた