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君の名前
【純愛 恋愛小説】

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聖夜に降る雪-6

                  □□□□□

私も一人の女性だし、結婚について考えたことがないかと聞かれれば、そんなわけない。
テツを思うとね、最終的には結婚を考えるの。でもそれは結婚という形式について考えるのではなくて、いつか一緒に暮らせたら。二人で生活していけたらと思うの。一つ屋根の下で一緒にいて、ご飯を一緒に食べて帰る時間も気にしなくてもいい。そんな毎日が欲しい。私にとって結婚は、一緒に暮らしたい、でもただ暮らすだけでは世間体が気になる、だから籍を入れる、という程度のたったそれだけのことでしかないの。でも重要なことだと思わない?私は純粋にあなたと一緒にいたいと思っている。
でもね、テツはまだ若いじゃない?そうなるとあまりやすやすと口に出来たものでもないでしょう。プレッシャーになるといけないし。だから我慢するところは我慢してきたわ。いつか、テツがそういう気になったら言ってくれる。そう考えていたの。
でもね、運命って分からないものね。本当に。その言葉につきます。
テツ?嫌いにならないでね。お願いだから、嫌いにならないで聞いてください。
少し前に分かったことなのだけど、私ね、妊娠しています。私のおなかの中に、赤ちゃんがいるの。私とテツの子供が。病院でも調べてもらったわ。
それを知って、きっとあたなは驚くわね。私も同じ。
だって信じられる?私は新しい命を自分の体内に宿してしまったのよ。
自分の妊娠を知ってから今日まで、私は本当に悩んだわ。お互いの将来について、これまでになってくらいに頭を悩ませた。でもね、答えが出ないの。当たり前よね。これは私一人の問題じゃない。私達の問題なんだから。
結婚して欲しい、とはそれでもいう気はありません。
ただ、聞かせて欲しい。テツの本心を。あなたは、いつの日か私と一緒になってくれる?
私は待っていていい?そばにいて、今までどおりテツの隣りで笑っていていい?何よりも、私はあなたを好きでいていい?恋人でいさせてくれる?
不安なの。夜、眠る前とか。何も知らないあなたの笑顔を目にした時とか。心から不安なの。
一緒にいて欲しい。
テツ、好きだよ。だからクリスマスにこの手紙を渡します。
もしも、私の願いが聞き届けられるなら、笑顔で私と向かい合ってください。
当日は雪が降るってさっきの天気予報でも言っていたから、優しく落ちてくる雪の下で抱きしめて欲しい。強く、強く、不安を砕くくらいに強く。
そしてそれが、どうか私達の始まりでありますように。


                  from キョウコ


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