淫魔戦記 未緒&直人 3-3
そして、その夜。
苦しくなって顔を離す度に亀頭がかすめるため、未緒の頬は先走りでねとねとになっていた。
蜜壺からとめどなく溢れ落ちる愛液で、直人の鼻から下は余す所なく濡れている。
−いつ果てるともなく、二人はお互いを愛し合っていた。
「んっ、むふっ……ん、あぶぶふあああんっ!」
限界まで充血した突起を舐め蕩かされ、未緒は肉棒を吐き出して切羽詰まった呼吸を繰り返す。
「未緒……イキそうになったの、もう三度目だよ」
「だ、だって弱い所ばっかり攻められるんじゃ……ひゃんっ!?」
クレバスの中心に両の親指を突き立てられ、未緒が素っ頓狂な声を上げる。
熱く蕩けた柔肉が、直人の指を包み込んだ。
「僕はまだ余裕があるのに……ねえ?」
直人は未緒の最も恥ずかしい部分を指で拡げると、中に舌を差し込んだ。
「あっ……んあん……そこっ、は……!」
びくっと体を震わせると、未緒は直人の上にへたりこむ。
直人が攻めたのは蜜壺の上側にある一番襞が密集している所、つまりGスポットのある辺りである。
付き合うようになる以前−セックスで淫魔の血を抑制するためだけに体を重ねていた頃は『恋人でも何でもないんだから楽しんじゃ駄目でしょう』という自主規制によって手付かずに残していた、未緒の性感帯の一つだ。
直人は未緒の下から抜け出すと、力の抜けている体を仰向けにさせた。
「きゃっ」
そこで初めて直人の顔を真正面から見た未緒が、思わず悲鳴を上げる。
「ん?ああ、これか」
自分の顔に触れて悲鳴の原因が分かり、直人は苦笑した。
鼻から下は言うに及ばず、喉の方までかなりの範囲が愛液で濡れている。
未緒が驚くのも、無理はない。
「君のほっぺたも、こんなだよ」
直人は顔を近付けて、未緒の両頬から自分の体液を丁寧に舐め取った。
「あ、やだ……」
未緒も自分の体液を、直人の顔から舐め取る。
舐め合って互いを綺麗にした所で、直人は未緒にキスした。
しばらくの間、じゃれるように舌を絡ませ合う。
「んっ……ぷ……っく……ん、あ……」
濃厚なキスでたまらなくなった未緒は、直人にしがみついた。
ギリッ、と背中に爪が食い込む。
その痛さに耐えつつ、直人は体を未緒の望む姿勢へと変える。
未緒は直人が挿入しやすいように、体を開いた。
唇を重ねたまま、二人は一つになる。
狭くて滑らかな肉襞が、待ち兼ねたように直人へ絡み付いてきた。
「くふっ……!」
喉の奥で快感の声を漏らし、直人は腰を使い始める。
「んんっ!んっん!」
唇を塞がれたままの未緒が、くぐもった声を上げた。
唇を離すと、なまめかしい声が飛び出した。
「あ、あっ!んっ!っああああ!!」
絶頂に達する直前で、未緒は直人にしがみつく。
そのまま、一度目の絶頂を迎えた。
「ああ、直人……!」
その瞬間のきつい締め上げに耐え、直人は未緒をきつく抱きしめて激しく突き続ける。
「ああ、直人っ……好き、好きよっ……!」
「未緒、未緒っ……僕もだっ!」
直人はさらに激しく腰を動かすと、未緒の中で絶頂に達した。
「あっ……ああ……!」
子宮に熱いほとばしりを受け、未緒も二度目の絶頂にさらわれる。
「ああ、直人……」
その首に腕を回しながら、未緒はうわごとのように呟いた。
「好きよ、好き……」