淫魔戦記 未緒&直人 2 〜覚醒〜-6
俊樹の説明を要約すると、こうだった。
泣いている未緒をなだめた後、俊樹は藤谷家の玄関前まで未緒を連れていった。上がる気はなかったのだがまたぐすぐすいい始めたため、放ってもおけないので家に上がって未緒をなだめていた。
ようやく未緒が落ち着いたのを確かめると、俊樹は藤谷家を出た。
ところが携帯を置いてきたのに気が付いて、取って返した途端にトラブルが勃発した。
藤谷家の玄関先で、五人ほどの男が未緒を担いでどこかに連れ去ろうとしていたのだ。
自分が出たら鍵をきちんと閉めておくようにと忠告したのに、守ってくれなかったらしい。
殴ったのかスタンガンでも使ったのかは分からないが未緒は気絶しているようで、全く抵抗しない。
俊樹は担ぐのに参加していなかった奴に、急接近して殴り倒した。
そこから三人がかりでの殴り合いが始まり、俊樹は奮戦むなしく顎を蹴られて脳震盪を起こしたところで後ろから殴られ、気絶してしまった。
しばらくして気絶から復活すると、俊樹は藤谷家の中に放り込まれていた。
状況を把握すると、俊樹は未緒の携帯が家の中にあるのに気が付いた。
自分を狙う奴は腐るほどいるから連中がどこのグループかも分からないし、未緒の友達の中に情報網でも持つ者がいないかと思って携帯のメモリーを検索したら……直人がいた。
「……なるほど」
苦い声で直人は呟いた。
「馬鹿だな」
『俺が馬鹿なのは分かってる!それより未緒が!』
「馬鹿呼ばわりしたのは君じゃない。連中だ」
『え?』
「今の未緒はかなり危険な状態にある」
『危険!?』
「人間としてのアイデンティティが崩壊しかねない、ね」
『え?どういう……?』
「見れば分かるよ。電話を切ったら僕は神保のネットワークを使って未緒をさらった連中を洗い出す。君は……まだマンションにいるんだね?なら、すぐにそこを出た方がいい」
『どうして?』
「藤谷由利子さん−未緒の母上の名前だけど−がいつ家に帰ってくるか分からない。君がいなければ未緒は僕の家にいるとか何とか、舌先三寸でいくらでもごまかす手はある。娘が誘拐されて危険な目にあいそうだなんて、知らせる必要はどこにもないだろう?」
『……なるほど』
「キッチンの窓の隙間に、鍵があるはずだ。それで戸締まりするのを、忘れないでくれよ」
この街を流れる一番大きな川にかけられている瀬渡橋近くの河川敷に、十代の少年達がぞろぞろと集まっていた。
徒歩、自転車、バイク……来る手段は様々だが、皆一様に顔がにやけている。
少年達の話題の中心は、捕われた少女だった。
「しかし、そそる女だな……」
「見ろよこの肌、この乳。犯罪だぜ」
「いい匂いがするなあ……つまみ食っちまうか」
「やめとけよ。リーダーが色々と楽しい玩具を買ってくるまではさあ」
手足を頑丈な革手錠で拘束され、昏々と眠り続ける未緒を囲んで、主だった少年達は好き勝手に言いあっている。
「待たせたな」
その声で、一同は後ろの方を振り返った。
「面白いものをいっぱい買ってきた」
グループの頭−有沢護は、片手に持ったビニール袋を軽く振ってみせた。
「まずは基本の媚薬だろ。錠剤とあそこのショップオリジナルのローションタイプ。あとはバイブがいくつかな」
護はにたあっ、とした笑みを浮かべた。
「ビデオも回しとけよ。こんな美人の巨乳現役女子高生中出し輪姦現場なんて、高く売れるからな」
「りょうかーい」
「さ、まずは媚薬を塗り込んでやろうじゃないか」
頭の声に反応して、少年達が未緒の周りに群がる。
頭は未緒の服を切り裂いて破り取り、媚薬ローションをたっぷりと垂らした。
「ん……」
ローションが冷たかったのか、未緒が呻く。
「効かすためには塗り込んでやらないとな」
護は未緒の乳房を揉み始めた。
「たまんねえ……いい乳してやがる。篁の野郎にはもったいないな」
塗り込むのとは程遠い手つきで両の乳房を楽しむと、護はローションを手に取って未緒の秘部へ念入りにまぶした。