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ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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ふたり【波乱、のち○○】〜遊輝は愚か者!?〜-3

‥‥なんでだ?
なあ、なんでだよ‥‥

なんで俺は、俺のせいでエリカをこんなに苦しめていたコトに気付かないんだ‥‥
あの約束はなんだったんだ‥‥当の俺は何もできちゃいない。
自分の苦しみを‥自分の都合をエリカに押し付けただけじゃないか。

‥‥あの“約束" は俺の“弱さ" ‥‥
‥‥俺はエリカに甘えていただけ‥‥

‥俺って‥‥最低だ。

無力で‥無責任で‥人の気持ちが‥‥それも好きな女の気持ちが分からない‥‥

その辺の‥軟派で尻軽な野郎と何も変わらない。

そんな奴が‥人を本気で好きになる‥資格なんて‥‥無いよな。



「エリカ‥‥ ごめん」

エリカは俯いたまま、グスッと鼻を鳴らした。


「俺、‥この家‥‥来るのやめる。」

声が震える。‥本当に弱いな、俺。

「え?」

それよりもっと震えた声でエリカが顔を上げる。
俺は逃げるようにエリカから体を背けた。
‥‥こんなくだらない男のくだらない涙をエリカに見せたくなかったから。

‥‥‥!
‥驚いた‥一瞬、体が固まった。
振り返った先に、あかねが立っていた。

あかねは顔をこわばらせて、俺の目を真っ直ぐに見ている。
その潤んだ視線から逃げるように、俺は天井を見上げた。


「俺達、只のクラスメイトに‥只の従兄妹になろう」

俺の“弱さ" が目尻を伝って落ちる。
堰を切って溢れそうになるそれを歯を食い縛って堪える。


「なんで‥?」

震え、かすれた声が家の中に静かに響いた。

「なんでそんなコト言うの‥? あたしが‥泣き虫だから‥? だめだよ‥‥そんなこと、言わないで」

「――違う!!」

体が震える。涙が溢れる。

「俺‥‥弱くて‥馬鹿で‥情けなくて‥どうしようもない、最低な奴だから‥‥‥エリカにも‥あかねにも、相応しくない。」

‥俺は、このふたりと一緒にいちゃいけない。


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