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淫魔戦記 未緒&直人
【ファンタジー 官能小説】

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淫魔戦記 未緒&直人 2-2

一週間も経つと、美人転校生の噂は他のゴシップに紛れて消えてしまっていた。その一つが『あの神保直人に彼女ができた!』だったりするのだから未緒としてはけっこう居心地の悪い思いを味わっているのかと思えば、そうでもない。
なぜなら、『神保直人の彼女像』がめちゃくちゃだったからである。
いわく、同い年の超美少女の熱烈モーションに根負けして。
いわく、昔馴染みの家庭教師に『大人の恋愛』を教えられて。
いわく、年下の薄幸の少女を支援する足長おじさんになった縁で。
他にもいろいろあったが、『四つ年上の一般人』という噂は流れていなかった。
だから当人は噂を気にもとめていなかったのだが……平穏は突然、破られる。


ある月の金曜日。
直人が土日の予定を空けてくれたので、明日から丸二日間一緒に過ごそうと話がまとまっていた。
付き合うようになってからは頻繁に電話やメールのやりとりはしているものの、神保家の当主として忙しい直人とのデートとなると、なかなかチャンスが巡って来ない。
明日明後日の二日間が未緒と直人の初デートといっても、過言ではなかった。
そのせいで未緒はうきうきしていたのだが。
「あなた……藤谷未緒さん?」
美声を表すのに『鈴を振るような』という表現があるが、背後からかけられた声はまさにそれだった。
下駄箱前で靴を履いていた未緒は、返事をして振り返る。
「はい、そうですけど?」
「……本当に?」
呼び止めた人物は、上から下まで舐めるように未緒を観察した。
そして、聞こえよがしに呟く。
「……何だって直人様はこんな小娘に熱をあげられているのかしら」
失礼な物言いに、未緒はむっとする。
「あなた、なんなんですか?いきなり人を呼び止めておいてそんな事言うなんて、失礼じゃないですか」
未緒の言葉に、相手はフンと鼻を鳴らして答えた。
「本家の直人様が入れあげる女というから、どれほどの美人かと思えば……楽勝じゃない」
未緒は彼女を見上げた。
身長は162センチある未緒よりいくらか高く、目分量で165はあるだろう。
腰までの長さの、緑の黒髪。
スラリと細いモデルのようなスタイルで、ブレザータイプの制服を颯爽と着こなしている。
顔は、言うまでもなく美人。
しかも、下手なアイドル顔負けの美人だ。
トータルで見て、欠点らしい欠点はやや控えめな胸くらいのものである。


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