last night-2
「まあ、誰だってそうだろうな」
「その一言でずいぶん楽になったんだ。『大事にするのは自分だろ』って言ってくれた」
「オレならもっといいこと言えるよ」
「過去よ」
「…過去だったな」
「そのとき、私、この人のこと好きだったなぁって、思いだした」
「……」
「好きすぎて泣けるくらいだったなぁって…」
「…過去なんだよな?」
「過去だってば」
「ま、どうせオレは二番ですからぁ?」
「なんでぶーたれてるの?名誉ある二番なのに」
「名誉ねぇ…」
「つまり私が幸せになれるってことなんだから、あなたにとっては十分すぎる名誉でしょ?」
「…ほんとお前はいい性格してるよ」
「ちゃかさないで。私を幸せにできるのはシュウくんじゃなくて…」
「じゃなくて?」
「……」
「……」
「…あなたしかいないってことなんだからね…」
「……」
「…なによっ」
「泣き虫」
「もう…!」
「しょうがねーな。今ので納得してやるか」
「……」
「そんな顔すんなって。幸せが逃げるぞ」
「…逃げるの?」
「うそ、逃げない」
「……」
「逃がすもんか」
「……」