星明かり-2
『………これは夢じゃないのか??』
『まあ信じられないだろうけど…。…オレは生き返った訳じゃない。』
『わけわかんないよ……』
『オレはお前が心配だったからこうやって出てきたんだぞ!』
『幽霊かよ……?』
『かもな』
『やっぱりわけわかんない。』
『あ、オレもう帰るわ。』
『……マイペースすぎだろ』
『なぁ…………。』
『なに?兄貴』
『元気でな。』
『なんだよそれ………らしくないじゃん。』
『………空見てみろよ。星ばっかだぜ。』
見上げると……満天の星空が僕と兄貴を照らしていた。兄貴が死んだ日に見た星空なんかより……今ここで兄貴と一緒に見ている星の方がキレイだ。なんだろう、いつもより光ってみえる……。
いやちがう。
『なに泣いてんのお前!』
兄貴が僕に言う。
『うるせー。兄貴こそ………元気で…。』
僕が兄貴に言う。
僕らはもう一回星空を見上げた。
眩しすぎるあの星達は僕らを包みこんでいる。必死にそれぞれが光り続けて…その命が尽きるまでこうやって誰かを照らすのだろうか…。
兄貴の方に目をやると兄貴はいなかった。
『兄貴!!』
一人、星明かりの下で声が響く。
もう一度、星空を見上げた。
――やっぱりぼやける。
――やっぱり眩しい。
兄貴は星にでもなったのだろうか?……そんなファンタジーみたいな事はないだろう。けれど一つだけ言えるのはきっと兄貴は……。
『あ、流れ星。』
あの世でも元気だな。きっと。
……………END……………