俺と俺様な彼女 〜6〜-1
「わははは、マジでか!?あの月宮先輩が大量にぬいぐるみ持ってるとかありえねーよ。」
「だろ?俺も思わず『ここ、弟の部屋?』って聞いたからな。」
「やべ〜、腹痛いって。お前あんま笑かすなよ。」
「何をそんなに笑ってるの?」
「せ、先輩!?!?」
「おぶどわぁぁ!?!?」
「どうしたの?二人とも。」
「い、いえ。なんでもないです。どうかしましたか?先輩。」
「今日空いてる?」
「放課後ですか?大丈夫ですけど。」
「そう、じゃあ買い物に付き合ってくれる?」
「わかりました。じゃあまた放課後に。」
「…今の会話先輩に聞かれたかな?」
「いや、大丈夫だろ。もし聞かれてたらこの食堂は今頃血の海になってるだろうから。」
「…これからは気をつけような。」
「ああ、まだ死にたくはねえからな。」
〜情けは人の為ならず〜
「そう、それで?」
「そんで憲一のやつ一人で…」
話してて気づいたけど俺らが歩いてるとけっこう周りのやつら振り返っていくなぁ。先輩綺麗だもんなぁ。どうだ、うらやましいか。このやろう。
「なににやついてるのよ、気持ち悪い。」
どうだてめえら、この人はこんな性格なんだぞ。それでもうらやましいか、こんちくしょう。
「いえ、何でもないです。」
「そういえば憲一君で思い出したけど昼休み憲一君と何の話してたの?ずいぶん楽しそうだったけど。」
「い、いえ、別にたいした話じゃないですよ。」
言えねえ。『先輩のこと笑ってました』なんて口が裂けても言えねえ。言ったら死ぬ。憲一が死ぬのは全然構わねぇが俺は死ぬのは嫌だ。
「そ、そんなことより先輩何買うんですか?」
「ん〜、服をね。寒くなってきたしコートとか。」
「そうですね〜。俺もついでになんか買おうかな。」
「お金なら貸してあげるわよ。」
「・・・利息は?」
「十日で一割。」
「遠慮しときます。」 といちとかありえねぇよ。
「これどう?」
「いいんじゃないんですか?」
「これは?」
「いいと思いますよ。」
「・・・これは?」
「いいとおもいます。」
バキッ!
「ぶはぁ。先輩‥何で‥」
「さっきからいいとしか言ってないじゃない。もっと真剣に見てよ。カラスでももう少しバラエティに富んだ鳴き声出すわよ。」
だって似合ってんだからしょうがねぇじゃん。いい以外に何て言えばいいんだよ。
「…いまの三つの中ではどれが一番よかった?」
「一番最初のやつがよかったと思います。」
「二番目のにするわ。」
「あの、先輩…めっちゃつっこみたいんですけど。」
「もとからあんたのセンスに期待してないわよ。」
じゃあ聞くなよ!!
「数馬はどうするの?」
「ついでですし俺も見ていきますよ。」