俺と俺様な彼女 〜6〜-4
「数馬!?大丈夫!?」
「ああ、先輩。大丈夫ですよ。」
「バカ!なんであんな無茶したのよ。」
「あはは、気づいたら体が動いていて。」
「すいません。」
「あっ、はい。」
「私、刑事の永田といいます。」 おお、これが警察手帳か。初めて見た。
「あらかた事情はこの御二方に聞いたんだが、一応事実確認のために2、3質問していいかな。」
「あっ、わかりました。」
「どうも、御協力ありがとう。」
「あっ、いえ、あの。」
「ん?」
「あいつら、不良達はどうなったんですか?」
「ああ、実は財布の中から麻薬が見つかってね。とりあえず今は傷害罪で拘留してるが後日、麻薬不法所持で送検することになるよ。」
「そうですか。」
「それと、ひとついいかね?」
「なんですか?」
「いまどき君みたいな青年はいない。それは誇りに思っていいことだ。けど今回はたまたま大したことなくて済んだが次もそうだとは限らない。今度ああいう場面に出くわしたら警察にすぐ電話して、君は無茶をしないように。いいね?」
「はい、わかりました。」
「では、お大事に。」
「数馬、動いて大丈夫なの?」
「大丈夫です。骨にも異常はなくてもう帰って大丈夫だそうですよ。」
「あ、あの。」
「ん、ああ、君はさっきの。」
「あ、あの、ありがとうございました。私のせいで怪我をさせてしまって本当にごめんなさい。」
「ああ、いいよ。気にしないで。俺が勝手にやったことだから。」
「そうよ、この馬鹿がやったことだから気にするだけ無駄よ。」
いや、先輩。確かにそうだけど先輩のセリフじゃなくて俺のセリフです。
「あの…」
そういやよく見てみると結構可愛いな、この子。でもどっかで見たことあるんだよな。
「あの、どっかで会ったことある?」
「あ、私一年二組の前橋八重です。たぶん同じ学校の。」
「ああ、だよね。どっかで見たことあるなぁって思ったんだ。一年四組の谷岡数馬です。よろしく。」
「あ、あの、その…」
「ん?どうしたの?」
「…二人は付き合ってらっしゃるんですか?」
「え、あ、うん。まぁ。」
「…そうですか。」
「?」
「あの、私助けてもらって本当にうれしくて、その、あの、こんなこと迷惑だと思うんですけど、私、谷岡君のことが好きになりました!!」
「へ?」
「え?」
・・・・・・マジで?