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俺と俺様な彼女
【コメディ 恋愛小説】

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俺と俺様な彼女 〜6〜-3

「待て、てめぇら。」
「あっ?んだてめえは?」女の子はけっこうやばい状態だった。ブラウスに手かけられてるし。ぎりぎりだったな。
「邪魔しようってんじゃねえだろうな、ごらぁ。」
さて、来たはいいがどうする?どうする俺?Lifeカードとか持ってねーぞ、俺は。
「聞いてんのか、てめぇ。」
こうなったら先手必勝!
「うらぁぁぁ!!」
ドカッ!
「がはっ。」
上から順に俺が殴りかかる音、相手のカウンターが俺のボディーに決まった音、俺のうめき声。
…そりゃそうだよな。空手とかやってたわけじゃねえし、実は中学の時不良でした、なんてこともない。だって最後に喧嘩したのって、小学校のときだぜ。それもどっちが勝ったかわからないジリ貧みたいな喧嘩だ。そんな俺が現在進行形で不良の人に勝てるわけねえって。
「なんだこいつ、弱すぎっぞ。」
「おい、そんなやつほっといてさっさと楽しもうぜ。」
「ああ、そうだな。」
やばい、それは止めないと。
ガシッ。
「あっ?離せよオラ。」
「はや‥く、俺が押さえてる間に‥逃げて。」
ちくしょう、腰が抜けてんのか恐怖で動けねえのかわからんが女の子は動かなかった。
「おい、先にこいつやっちまうぞ。途中で邪魔されんのもあれだ。」
「そうだな。オラッ、正義の味方気取ってんじゃねえぞ、ガキが。」 がはっ。
「調子に乗ってんじゃねえぞ!」 げほっ。
「大体な、弱いくせに…あん、なんだあんた…がはっ」
「おい、どうした。なんだてめぇ…ごふっ」
なんだ、どうなった?ちくしょう、よく見えねえ。…あれ?先輩‥いや、違う。この女の人は泣いてる…あの先輩が泣くわけない…じゃあ誰‥だ…


パチッ
つぅ、いって〜。体中が悲鳴あげてら…ここはどこだ?
「おう、気がついたか?」
「…親父?」
「大丈夫?数馬。」
「母さん…ここは?」
「病院よ。」
「病院?」
「しかしびっくりしたぞ。警察から電話があってお前が不良に絡まれて怪我したから病院に来てくれって言われたときは。」
「そうだ、あの女の子は、っ!?」
「おいおい、無理するな。幸いたいしたこともなくて入院せんで済むが、急に動かないほうがいい。」
「親父、あの女の子は?」
「今向こうで警察に事情を話してるよ。それよりも数馬?あの美人は誰だ?」
「美人…先輩のことか?」
「それはわからんが、父さんたちがこっちに来たとき美人さんが泣きながらお前の横にいたときは正直お前の体よりもそっちの方に関心がいったぞ。」
おいこら、じじい。…しかし、あの先輩が泣くかぁ?しかも俺を心配して?ちょっとありえねえぞ。
「それで数馬お前にひとつ聞いておくことがある。」
「なんだ?」
「お前、あの美人さんと付き合ってるのか?」
「親父の言ってる美人さんが先輩かどうかはわからんが、付き合ってることは付き合ってるよ。」
「そうか、なら今度家に連れてきなさい。」
「…何で?」
「当たり前だろうが!あんな美人、お前に独り占めされてたまるか。大体お前とは釣り合わん。ああいう人はな、お前みたいな子供じゃなくて父さんみたいにだな…」
糞じじいが・・・
「母さん、この前親父が知らない女の人とメールしてた。」
「なっ!?お前なんでそれを!!」
「お父さん、どういうこと?」
「い、いや、母さん!?違うんだ、あれは会社の同僚で…」
「お父さん、覚悟はいい?」
「!?待て、待ってくれ。それにここは病院だからおとなしく…」
「あら、ちょうどいいじゃない。少々ひどくしてもすぐに手当てしてくれるわよ。」
「ま、待て…ぎゃああああーーー」
親父の断末魔を背中で聞きながら俺は部屋を出た。
「どこだ、あれか?」
う〜、いって〜。あいつら手加減とかしろよな。そういやあの不良どもどうなったんだろ?


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