投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

京都にて…
【女性向け 官能小説】

京都にて…の最初へ 京都にて… 0 京都にて… 2 京都にて…の最後へ

京都にて…-1

「三宅君、もうすぐ勤続5年やなあ」
「はい、がんばりました」
「自分でがんばったって言うところが並みじゃないなあ」
総務課の課長は冗談めかして言った。
B型のわたしはこんなふうにストレートな言葉使いをすることが多いみたい。長所でもあり、欠点でもある。『三宅久美はお天気屋でキツイ』製造課のお兄ちゃんたちは陰口を叩いているらしい。
うちの商品、おむすびせんべいは一級品だし、総務課の女性たちは才色兼備でやさしいということを知らしめてやりたいものだ。
まあ、良介がわたしのことを理解してくれているので、救われているのかもしれない。もうすぐ良介と京都旅行。桜の咲く季節には少し早いけど、「はんなり」を満喫したい。

良介のインテグラは1号線を西へ―。
「久美ちゃん、最近ますますきれいになったな」
「嘘ばっかし」
「嘘じゃない。嘘と人参は嫌いだ」
「カロチン採らなきゃだめ」
「カロチンよりも…」
信号待ちでキスされる。もぉー誰かに見られたら恥ずかしいよ。
「良介のキス魔!」「おっぱいも触ろうか」
「だめー」
「はにかんだ顔が可愛いな」
「信号変わったよ」「ほいっ」
良介とのドライブ、いつも信号待ちでキスしてくる。ディープキスも好きだけど、こんな軽いキスも好き。
良介と付き合い始めて4カ月。わたしは変わったのかも。ドライブデートのときはブラを着けなくなったし、オナニーの回数が増えた。仕事が終わって家に帰ると、良介とキスしたいとか触られたいとか、そんなことばかり考えている。わたしってふつうじゃないのかな。
今夜はどんなふうになるんだろう。良介の性癖、なんとなくわかりかけてきたけど、まだまだ不安だ。
そんなこんなを夢想してるうちに、インテは栗東インターから名神に入ったの。

「琵琶湖疎水がここまで流れてきているんですよ。大津、山科、蹴上を流れてきて、南禅寺で水はふたてに分かれるんです」
若王子神社で禰宜さんに話を聞いてから哲学の道を散策した。
「あとひと月もすれば、この道沿いは桜でいっぱいになるんやな」
「桜の時期にまた来たいよね」
花吹雪の中を歩くのって気分いいかもって思う。
哲学の道を抜けて銀閣寺を見てまわる。思ったよりも地味なお寺だったけど、わびさびを感じるとはこういう景色のことだろうか。

要庵中原家は数寄屋風の歴史を感じさせる旅館だった。
部屋にお茶を運んできた仲居さんが去ると、良介は早速にじり寄ってきた。
「久美ちゃん」
抱きしめられてディープキス。舌と舌がねっとりと絡みあう感触を楽しむ。
良介は舌を入れながら、ストッキングに包まれた膝頭あたりをすりすりと触ってくる。少しくすぐったい。良介の手はしだいに奥へ伸びてくる。
「だめっ、まだ時間早いし…」
「パンストの中、熱くなってないかい?」
指でなぞられる。
ゆっくりゆっくり湿り気を帯びてくる。撫でられながら耳を吸われると、くすぐったさと心地よさがあいまざって気持ちいい。
「一緒に家族風呂いこうよ」
「うん、いいよ」
良介は抱擁を解いて、帳場に電話する。
「風呂、6時から空いてるそうだよ。ん?その笑いは何?」「罠に嵌めたでしょ」
「はぁ?」
「一緒にお風呂はいりたいから、この旅館にしたんでしょう?」
「あはっ、ばれたか」


京都にて…の最初へ 京都にて… 0 京都にて… 2 京都にて…の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前