投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

アッチでコッチでどっちのめぐみクン
【ファンタジー 官能小説】

アッチでコッチでどっちのめぐみクンの最初へ アッチでコッチでどっちのめぐみクン 6 アッチでコッチでどっちのめぐみクン 8 アッチでコッチでどっちのめぐみクンの最後へ

アッチでコッチでどっちのめぐみクン-7

……………

「……葵ちゃん、葵ちゃん」
「? うん? なぁに? 恵クン……」
 葵が目を覚ますとそこは一面の花畑だった。
「? あれ? ここはどこ?」
「もう、寝ぼけないでよ、葵ちゃん……それより、お花で冠作ったんだけど、きっと葵ちゃんに似合うからかぶってみてよ」
「お花で冠って……恵クン、男らしくなりたいとか言ってなかった?」
 葵が恵の声のする方を振り向く。
 その直後、葵の目は信じられない光景を捕らえた。
「なんで、男らしくしなきゃいけないの?」
 葵は何か言おうとするのだが声が出てこない。
「だって、ボク、本当は女の子だったのに」
 葵の目の前にいる美しい少女がすっくと立ち上がり、スカートの裾を広げてくるりとその場で回ってみせる。
 少女は一回転して止まると葵の顔を見つめ、にこっと愛らしい笑顔を向けてきた。
「ね? どこから見ても女の子でしょ?」
 顔を引きつらせた葵の口元がピクッと動く。
 直後、葵は大きな叫び声をあげていた。

「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「うわあっ!?」
 ベッドの上で突然大声をあげて跳ね起きた葵に驚いて、ズボンを履いている最中の恵が尻餅をついた。
「え? あれ?」
 葵はきょろきょろと部屋の中を見渡すと、自分が夢を見ていたことにようやく気づいた。
「……葵ちゃん?」
 恵がズボンを履きながら、おそるおそる声をかける。
「え? あ、ごめん! ……やな夢見ちゃってさ……」
 葵は赤くなった顔を隠しながら、恵に向かって大丈夫というように手を振る。
「どんな夢?」
「……あんまり思い出したくない」
「……そう」
 恵はこれ以上聞かない方がいいかなと思い、帰り仕度を進める。
 葵は帰り仕度をする恵の姿に、もう外が暗くなってきていることに気づいた。自分もそそくさと衣服を手に取って身につけていく。
 葵が服を着終わって顔を上げると、ドアの近くで待っている恵と視線が合った。
「じゃあ、ボク帰るから」
「あ、うん。玄関まで送ってく」
 二人はなんとなく照れくささを感じて、会話もそこそこに部屋を出て玄関へと向かう。

「じゃあ、またね」
 恵がにっこり微笑んで葵の家の玄関のドアを開ける。
「……うん、ばいばい」
 葵は小さく手を振って恵を見送った。

「……ふぅ」
 葵は恵が帰ったのを見届けると大きく息を吐いた。
「でも、すごく似合ってたなぁ……あのカッコ……」
 葵は夢で見た少女の可愛らしさに思わず頬を染めている
自分に気がつくと、慌てて自分の部屋へと戻っていった。


 第2話 おわり


アッチでコッチでどっちのめぐみクンの最初へ アッチでコッチでどっちのめぐみクン 6 アッチでコッチでどっちのめぐみクン 8 アッチでコッチでどっちのめぐみクンの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前