アッチでコッチでどっちのめぐみクン-39
「さぁて、メグミちゃん、覚悟はいい?」
「よ、よくないです」
「まぁ、覚悟ができてなくても関係ないけど」
「ひぁっ!?」
シープがめぐみの上に覆いかぶさり、めぐみの首筋に舌を這わせる。同時に服の上から今日膨らんだばかりの胸を撫で回す。
「やぁ、やめて、くださいよぉ」
「……黙って私に任せなさい……んっ」
シープが哀願するめぐみの口を自分の唇で塞ぐ。そのすぐ近くに倒れている葵が怒りに血管を浮き上がらせる。
「ちょ、ちょっと、あんた、離れなさいよっ!!」
唇を離したシープが底意地悪そうににやりと笑う。
「いいから、ギャラリーは黙ってて……終わったら、あなたにもしてあげるから」
「ふ、ふざけないで、よね!」
めぐみの服を脱がしにかかるシープを睨みながら、葵はろくに動けない体でもがく。
「うふふっ、無理よ、諦めなさい。しばらくは薬が効いて
動けないわよ。私なら充分あなた達二人をイかせられるだけの時間があるわよ」
シープが笑いながら、めぐみの胸をあらわにすると、その頂上の部分を舌で転がす。
「ひゃ、う、うぁっ!?」
めぐみが身をよじって抵抗しようとするが、体が思うように動かせず、結局は唇を噛んで耐えるだけだった。
「イかされないように頑張るつもりでしょ? でも、そうやって意地を張る人ほど、イかされた後は脆いものよ」
シープが舌を胸からへそのラインをなぞるように下方へと移動させながら、めぐみの下半身を覆う下着に手をかける。
「随分、色気のない下着をつけてるのねぇ」
シープが下着にかかった手を止めてクスクス笑う。
その時、めぐみはトランクスを履いていた。この城で着替えさせられた時、葵に下着も女の子らしい物にするように勧められていたのだが、めぐみは男としてそれだけは嫌だと頑張って、なんとか残してもらったのである。
「こんな物はさっさと脱ぐべきよね」
それをシープはあっさりと剥ぎ取ってしまう。
めぐみは一糸まとわぬ姿になるとともに、自分が男であるという心の拠り所まで剥ぎ取られたことに、視界が歪んでいく感覚を覚える。自分という存在がなくなってしまう気がして、意識が飛んでいきそうになる。
「……ボ、ボクは……」
「ん? なぁに?」
シープは半分壊れかけているめぐみの様子を大して気にもとめずに、下半身へと手の先を伸ばしていく。
「あうっ!」
シープの指が、女性化しためぐみの敏感なところに触れてめぐみの喉を反らせる。
ボカッ
「イタっ!?」
シープが後頭部に痛みを感じたのはその直後だった。
それと同時にめぐみの意識が再び手繰り寄せられる。
「いい加減に、しなさいよね!」
シープが驚いて後ろを振り返ると、そこには拳を握りしめた葵がよろよろと立っていた。
第11話 おわり