アッチでコッチでどっちのめぐみクン-31
……………
ところかわってアリーランド城内のとある一室……
「……と、いうことだそうです」
「……なるほどね」
シープが視線を落とし、腕を組んで考え込む。
「驚きました。異国どころか異世界から来た方達だったなんて……」
フローレンスは哲太から聞いた話をシープに報告してから、自分でもその内容の意外さを改めて噛みしめる。
「私が後の二人から聞いた話と一緒ね」
「えっ?」
シープの言葉にフローレンスが固まる。
「だから、私がメグミとアオイとかいう残りの二人から聞いてきた話と一緒だなって言ってるの」
「ちょ、ちょっと待ってください、シープ様! 私は身体を張って情報を聞き出してきたんですよ!?」
「あらそう。私の方は普通に世間話みたいな感じで聞き出してきたわ」
「シ、シープ様ぁ!?」
腕にしがみついてくるフローレンスを、シープがいらいらした調子で引き剥す。
「うるさいわね! あの二人が素直に喋らないって可能性もあったんだから仕方ないじゃない!」
「で、でも、私、男の人は初めてだったのに」
「だから、あの香水を貸してあげたじゃない。あれって、男性ほどではないけど、女性にも多少の効果はあるはずなんだから……度胸づけにはなったでしょ!」
「ひ、ひどいです。それに効果はあるはずって……よくわからなかったんですか?」
「ま、あの香水が使い物になるってデータにはなったわ。さすがに自分を実験台にするのは嫌だもの」
「や、やっぱり……」
「いいじゃないのよ。なんだかんだ言ったって、あんたもあの男の子とたくさんしてスッキリできたでしょ?」
「……スッキリどころか、体のあちこちが痛いです」
「……何発してきたのよ? ま、そのぐらい無茶した方が沈んだ気持ちの時にはいいかもね」
「もしかして……私のことを心配してくださっているんですか?」
顔を赤くしたフローレンスがシープの顔を覗きこむ。
「私が? そんなわけないでしょ」
「……ですよね。シープ様ですもの」
「ちょっと引っかかる言い方ね。ま、いいわ。ガスツヘルムのお嬢様には色々と恩があるし」
「……今更お嬢様とか言わないでください。私はシープ様にどこまでもついていく気なのですから」
「……いい覚悟だこと。それじゃあ、とりあえず集めた情報をまとめてみましょうか」
シープとフローレンスはお互いが聞いてきた話を確認し
ながら、推測を交えて得た情報を整理する。