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アッチでコッチでどっちのめぐみクン
【ファンタジー 官能小説】

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アッチでコッチでどっちのめぐみクン-17

その説明を聞いて葵はキレそうになったが、爆発直前で何とか気を持ち直し、めぐみの腕を掴んでくる。
「……めぐみクン、帰るわよ」
「え?」
「こんな世界にいられないわ。さっさと帰って男の子に戻りましょう」
「えぇ〜 こっちに来てからまだ花畑しか見てないぜ」
「アホ哲太は黙ってなさいよ! あんたはめぐみクンが女の子の方がいいんでしょう!」
「……少しの間、お待ちいただけませんか?」
 ジョセフが葵を説得にかかる。
「いやよ! めぐみクンだって男の子に戻りたいよね?」
「……う、うん……」
「ほら、めぐみクンだってそう言ってるじゃない! 今度はサイファとかいうアホ魔法使いが死んでから呼びなさいよね! さ、帰り道を作って!」
「お願いします、もう少しお待ちください。実は、そのサイファという術者の居所を我々は最近突き止めたのです」
「え?」
「……ホントに?」
 ジョセフの言葉にめぐみと葵は半信半疑で聞き返す。
「ええ、メグミ様の御両親がこちらに来たのは、サイファを捕らえる任務を与えられたからなのです」
「なんで早く言わないのよ!」
「じゃ、今、お父さんたちはそのサイファって人のところに行ってるの?」
「はい。お二方とも英雄と称えられるほどの術者です。サイファが強力な術者であろうとも、きっと捕らえて帰ってくることでしょう」
「……じゃあ、それまでの間なんだ。ボクが……女の子でいるのって」
「はい。ですからもうしばらくお待ちのほどを」
「……ちぇっ」
「哲太、なによ、そのちぇっは?」
「空耳だよっ」
 めぐみたちが待つ気になっていることにジョセフは安堵すると、アリーランド城の方を手で指し示す。
「では、メグミ様の御両親が帰ってくるまでの間、城内でお待ちください」
「うん」
「……まぁ、待ってあげるわよ」

 結局めぐみの両親がサイファを捕まえて戻ってくるのを待っていることにした三人は、ジョセフの後ろについてアリーランド城へと向かった。



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