fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-1
‐幻光館学校襲撃事件から五日後、神城家皇希兼織音自室‐
『皇希。‥‥“覚醒”するわ。気を付けてね?まだ、貴方は“力”をよく理解してないわ。しかも、まだ“力”に振り回されているわ。また、“これ”を消させてもらうわ。
‥‥これを機会に、貴方とはもう会えないわ。でも、貴方は“真実”を知ったら、私に会いに来ると思うわ。‥‥じゃあね。―――。』
‥‥何故か、目が覚めた。‥‥このモヤモヤ感はなんだ?‥‥‥気になる‥‥。
「お早う、皇。」
「お早う、織音。」
「‥‥‥どうしたの?っ!!!」
「‥‥?どうした??」
織音はいつも通りに喋ってきた。欠伸の後、表情が急激に変わり、驚きの表情になった。
「‥‥皇。貴方の心が読めないわ?」
どうやら、俺の心が読めないらしい‥‥
「‥‥‥そうか。」
「驚かないの?」
「ああ。そろそろ、“最終決断”だしな。」
「そうね。‥‥でも、もう“決めて”いるのでしょう?」
「ああ。」
‥‥あれから、五日経った今日まで、毎日襲撃されている。しかし、なんとか凌(しの)いでいる。
昨日も、ここ‥‥神城家から少し離れた公園で襲われた。しかし、優と咲、それに織音によって助かった。
「‥‥昨日の事、思い出してるの?」
「ああ、何故わかった?」
「付き合いが長いからね♪」
朝からテンションがえらく高い。まぁ、いいか。と、そこに優がやってきた。扉の前で喋る。
〈ガチャ〉
「お早うございます、皇希さん、織音様。」
「ああ、お早う、優。」
「お早う〜♪優♪」
‥‥隣でやけにテンションが高い奴はほっといて、立ち上がり、欠伸をし、食堂へ歩き始める。
「‥‥さてと、行くか?優。」
「え、は、はい。」
「‥‥ちょっと無視しないでよ!もう!‥‥って、待ってよ!」
織音が、慌て追ってくる。一瞬、立ち止まり、そして、また歩き始めた。
因みに、優がノックせずに入ってきたのは、大抵、俺らは起きているのでしないようになった。