fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-9
「山崎 皇希様ですね?」
「‥‥そうだが何か?」
「私は、現在、天界の王、天神 螺樹(らき)様からの伝言を預かってしました。」
「‥‥織音の子供か?」
「そうです。」
「‥‥そうか、で?何を言ったんだ?」
「こう申していました、
『司義莉お祖父様や織音お母様に頼って下さい♪』
と。」
「そ、それだけか?」
皇希は意外な言葉に戸惑っていた。
「‥‥どうかされました?」
「いや、なんでもない。そ、そうか、わかった。」
「では、これにて失礼します。」
そう言って、忍者の体は透明になって消えた。
「‥‥はぁ、なんだかなぁ。」
皇希はその場を後にし、何処かへと歩き始めた。
‐午後七時、神城家、皇希兼織音自室‐
司義莉と織音が話し合っている。
「‥‥それで、お父様?何故、今頃になってここに来たのですか?」
「何を言っている?」
「‥‥神同士では、心が読めないのが痛いわ。」
「‥‥‥」
織音は司義莉に対して、真剣な顔で見る。
と、司義莉が喋る。
「わかった、わかった。お前には、本当の事を話してやる。」
「ありがとう、お父様♪」
「アイツの“正体”は知っているだろう?」
「もちろんよ!」
「‥‥アイツの“力”には、隠させた“力”がある。」
「えっ!?」
織音は皇希の“正体”を知っているが、“力”に関しては聞いていないらしく、激しく動揺した。
司義莉は真剣な顔になる。
「実はな、‥‥‥」
‐午後十二時、とある河川敷のトンネル下‐
《‥‥まさか、こんな所で野宿とは思っていなかったな。‥‥トホホ。‥‥》
皇希はトンネル下で、ホームレスみたいなっていた。
《しかし、寒いな‥‥。》
「‥‥へ、へ、ヘクシュン!」
‥‥御愁傷様です。
《‥‥さて、もう寝るか。》
そう言った皇希は、ダンボールで作られた家の中に入った。
しかし、よく作られたダンボールハウスであった。壁(?)は二重になっており、屋根もダンボールとビニールの二重だった。
「‥‥ZZZzz‥‥」
‥‥かなり早い就寝であった。