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fantasy ability
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fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-8

「逃がさ‥「司義莉さん?無駄ですよ!」

司義莉が立ち止まり喋る。

「‥っ!なんだと!?動けない!」

司義莉や織音、神城家一同の顔に汗が流れた。どうやら皇希以外は、動けないらしい。

「‥‥一回、一人で考えます。‥‥梛さん?三日後、覚醒後に“答え”を出します。今まで、ありがとうございました。‥‥では、また。」

〈シュン!〉

皇希の足元にある魔法陣が輝き、一瞬にして消えた。
その直後、全員の金縛りはとけた。

「‥‥くそっ!」
「お父様?何故、そこまでこだわるのですか?」
「‥‥お前はあの“力”を知らないから、平気だろうな。しかし、もし彼が“暴走”した際に、その“力”が使われたら、日本‥いや世界はもちろん、天界や冥界さえも【存在】が無くなり消えるだろう。それは、人間や‥我々、神も例外ではない。」
「なっ!?」
「本当の事だ。しかし、まだお前らには話してやらない。俺も、ある神との条件だからな。」
「‥‥わかりました。しかし、お父様?その内に話してくれますね?」
「ああ。しかし、俺が話さなくても、“本人”が言ってくれるさ。」
「‥‥そうですか。」
「‥‥‥」

司義莉は無言で食堂の入り口の右側にある窓に歩き、そこから空を見た。





‐午後六時、とあるマンション屋上‐

「‥‥‥」

そこに一つの人影があった。もちろん、皇希である。

「‥‥‥」

しかし、顔は下を向き、目の色に生気が無い。

「‥‥誰だ?」

皇希が不意に言った。

「‥‥よくぞ、見切りましたね。」

皇希の後ろに黒い衣装を着た男性が一瞬にして現れた。その衣装は正に忍者を思わせるような格好だった。
しかし、皇希は慌てる事なく、かつ振り返らない。さらに、再度質問した。

「‥‥誰だ?」
「いいのですか、このままでは殺されますよ?」
「‥‥出来るならとっくにやっているだろう?」

その忍者(?)は軽く苦笑し喋る。

「ふふ、そうですね。確かに、今の貴方は簡単に殺せますね。」
「‥‥そんな事はどうでもいい。お前は何をしに来たんだ?」

忍者は一呼吸し、皇希に対し、方膝を地についた。それはまるで、王に対して騎士が敬意を表した格好であった。


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